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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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デアイトサイカイ-12


(……惚れた……とか?)

 テオは自分の考えを鼻で笑って一蹴する。
 多分、身近に居た魔物とパルがタブっているのだ。
 テオの身近に居た魔物はテオを溺愛していた……テオだけの魔物だった。
 だからパルも自分だけを……という、子供じみた独占欲。

「なら納得」

 ふむふむと自己完結したテオは、1人すっきりした気分で羽馬に会いに行く事にした。

 その頃、ランス達のテント内では……。

「ランス様、お気づきになられましたか?」

 ノアが俯せになったランスの足をマッサージしながら主を伺う。

「ああ、パルティオ嬢は魔物だねえ……魔物独特のオーラがビシビシ伝わるよ」

「テオドアさんは知っているのでしょうか?」

「知ってるだろ。彼は私達より魔物のオーラに敏感だからね。それに産まれた時からそういうオーラに晒されていた分、耐性もある。心配いらないよ……あ、もう少し上を頼む」

 ノアは言われた通り少し上に移動して足をさする。

「後、リュディさんですが……」

「うん……何か隠してるねえ……ノアの目にはどう映った?」

「失礼ながら透視させて頂いたところ、体内に植物を飼っているようで……」

 ノアはランスが危険な目に合わないように、常に注意を払っていた。
 それが相手に対してかなり失礼な事であっても、ランスの為なら何だって平気でする。

「それで?」

「はい。途中でお飲みになっていた薬を少し頂いてまいりまして魔力を流してみたところ、体内の植物を休眠状態にさせるものかと……」

「ふうん……ミドリの悪魔……か……」

 エザルで起こった吸血蔦の異常繁殖の犯人であろう人物の特徴に、リュディはがっちり当てはまる。

「どうされますか?」

「別にどうもしないよ。犠牲者には悪いけど死んだ男はエザルでも評判の悪い男だったし、自業自得ってところだろうからねえ」

 通報したり捕まえて突き出したりしない、とランスは答えた。

「他に気づいた事は?」

 ランスの質問にノアは嫌な顔をし、たっぷり間を空けてから答える。

「……リュディさんは両性具有です」

「何だってえっ?!」

 ノアの答えにランスはガバッと身体を起こした。

「ああ!何て素晴らしい事だ!正に理想!正に運命!正に私のミューズだ!」

 思わず神に感謝の祈りを捧げるランスに、ノアはうんざりしながら言い放った。



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