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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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デアイトサイカイ-11


「あの2人は止めろ。ランスは超が付く身分だしノアは魔法使いだ。逆に退治されるぞ」

 テオは憮然としてパルに注意する。

「えぇ〜?記憶消すもん、ランスなら良いでしょう?」

「だめったらだめ!」

 険しい顔でパルを止めるテオに、パルはムッとしてつんっと横を向いた。

「アタシが誰を食べようと勝手じゃない」

「それやってトラブル起こしたのどこのどいつだよ?!」

 我が儘な子供のような事を言うパルにテオもムカついて言い返す。
 いきなり始まった喧嘩にリュディはオロオロと2人を見比べた。

「食事するのにいちいちテオの許可取らなきゃいけないの?!」

「そうじゃねぇけど相手は選べっつってんだよ!!」

「選べる程砂漠に人は居ないじゃないっ!見つけたら食べとかなきゃいけないの!」

「食いもんならココに居るだろうがっ!!」

 バンッと地面を叩いたテオは反対の手の親指で自分を指す。

「オレが側に居る間はオレだけ食っとけ!他の男なんか食うなっ!!」

「…………」

 パルは目をパチパチさせてテオを見つめる。

 これではまるで……。

 テオはフーフーと息を切らせた後、ハッとした。

 これではまるで……。

「あ……だ……だから……その……」

 ぶわっと顔を赤くしたテオはおたおたしてパルから視線を外す。

「……うん、分かった。テオだけにする」

 パルはそう答えると、にこぉっと笑ってみせた。

「お、おう」

 テオは赤くなった顔を隠すように片手で口を塞ぎ、簡単に返事をしてそそくさとテントを出た。

「何を口走ったんだ、オレは……」

 あれではまるで浮気性の女を引き止める男のセリフじゃないか。
 他の男に抱かれるなんて許さない、お前はオレだけ感じとけ的な。

「うっわ……恥ずっ」

 咄嗟に口から出た言葉だったが、実は本心。
 エザルで再開したにも関わらずパルが他の男を食いに行ったと聞いて「オレが美味いんじゃないのか、オレより他の男が良いのか」と嫉妬したのは事実だ。

「何だかなぁ」

 魔物に食われたがる自分の心理が分からない。
 食べる行為が性行為だというのも、またややこしい。



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