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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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デアイトサイカイ-10


「いえいえ、テオドアとは産まれた時からの仲ですが、実際に会うのはこれで……何回目かな?」

「テオドアさんが産まれてから2年程ご一緒に過ごしまして、それからはこれで3回目になります」

「最後は5年前か?」

「そうだねえ」

 それで幼馴染みと言えるのかは分からないが、本人達がそう言うのならそうなのだろう。
 それからはお互いの紹介やら、思い出話やら……1時間程話してお茶会は終了となった。

「この後、お前ら何処行くんだ?」

 片付けを手伝いながら聞くテオに、同じく片付けをしていたノアが答える。

「クラスタに行く予定です」

「クラスタに?」

 この大陸の最南端クラスタは、魔物が多く出現する土地で長い事放置されていたが、今は巨大な要塞が建てられ海から来る魔物を防いでいた。
 最近では人間と共存する魔物まで居るらしい。

「……クラスタか……」

 テオは顎に手を当てて考え込む。
 実はテオもクラスタには行きたかったのだ。
 しかし、パル達とファンに行くと言ってしまったので今回は保留するしかない。

「テオドア達は?」

「ん?リュディの回復を待ってのらりくらりと砂漠を抜けるつもりだ」

 ファンに行くとは言わないテオに、パルは疑問を抱く。
 だが、言わないという事は知られない方が良いのだろうと結論づけて黙っている事にした。

 そうしてテントから出て行ったランス達を見送り、残った3人は深ぁく息を吐いた。

「リュ〜ディ〜」

「ご……ごめんなさい……」

 暴走しかけたリュディは小さくなって謝る。

「でもさぁ〜美味しそうだったよねぇ〜」

 パルは両手を頬に当ててうっとり。

「美味しかったよ」

 お菓子の味は絶品だった、とリュディは答える。

「違う違う〜アタシの食べ物の方♪」

 男の『精』の話だ。

「ランスの方は極上のワインみたいなんだろうなぁ〜ヴェルヴェットのような喉越しに鼻に抜ける芳醇な薫り……ノアの方は甘い甘いお菓子ね……香ばしくてふわふわの舌触りなんだろうなぁ〜」

 精にそこまで違いがあるのか分からないが、パルは味を想像してクネクネ悶える。



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