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好きと言って
【女性向け 官能小説】

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思ひそめてん-2


「梨乃?どうしても無理かな?」
「・・・無理。・・・です」
「梨乃。もう麻子とはかかわらない」
「先輩」
「梨乃。俺、梨乃が大事なんだよ。頼むよ」
「・・・・・」

「ハルト。もうやめろ。梨乃が困ってる」
「梨乃。傷つけてゴメン。でも俺、待ってるから。
もし、もし気が変わったらいつでも連絡して」

見るからに疲れているハルト先輩は肩を落とした。
就活で忙しいときにこんなプライベートを安心させてあげられないなんて
私は最低だね。本当にごめんなさい。
でもね?でもね。私も一生懸命頑張ったんだよ。

レン先輩はそんなハルト先輩を見つめ、大きなため息を出して
ハルト先輩の肩を組んだ。
「ハルト帰るぞ。梨乃悪かったな。ハルトは・・・大丈夫だから。気にするな」

ハルト先輩が来る前の、私にキスをしたレン先輩は消えていた。
ハルト先輩と別れたらレン先輩と接点はなくなるんだ。

二人の背中を見ながら私はそんな不謹慎なことを考えていた。


レン先輩のことを「好き」なのかわからない。
まだそんな気持ちの整理なんかつかないよ。

でも、レン先輩と接点がゼロになるんだと思うとなんだかすごく寂しい。

レン先輩のことが好き?
まさか・・・

いつもそばにいてくれたから
お兄ちゃんみたいな感じなんだよ。
そう自分に言い聞かす。

でも・・・
さっきのキスは。

さっきのキスは・・・・・・





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