投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

春眠の花
【フェチ/マニア 官能小説】

春眠の花の最初へ 春眠の花 46 春眠の花 48 春眠の花の最後へ

に乃花-1

 部屋の天井が見える。街の喧騒が聞こえる。それに、携帯電話の着信メロディーが聴こえる。

 私はまだ何もしない。

 夢を見ていたはずなのに、何一つ思い出せない。

 下半身に湿り気がある。やっぱり恥ずかしい夢を見ていたのだ。

 膣内に感じる、夢のつづき。

 何がしかのアクションを起こさなければいけないと思った。
 枕元で鳴りつづける携帯電話に手を伸ばし、とりあえず出てみる。

「もしもし?」

「おはよう、あたし、愛紗美」

 まだ朝の七時だというのに、やたらとハイテンションな声が返ってきた。

「どこの愛紗美かしら?」

「国民的美少女の愛紗美に決まってるじゃん。とぼけちゃってるんだから」

「それで、その愛紗美ちゃんがこんな朝早くから何の用?」

「今ね、うちの高校でけっこう流行ってるんだよね」

「ソーシャルゲームみたいなやつ?」

「ううん、インフルエンザ」

 ああ、そっちね、と私はため息をついた。

「学年閉鎖になっちゃったから、あたし、暇してるんだ」

「大人は忙しいの」

「奈保子さん、今起きたばっかりでしょう?あたしが起こさなかったら今頃……」

 遅刻だと言いたいのだろう。その通りなので私は何も言い返せない。

「今日はほんとうに仕事だから」

「それじゃあ、おもしろいこと教えてあげる」

「間に合ってるから」

「あたしの夢の中に奈保子さんが出てきたんだ」

 私は携帯電話を持ち替えた。

「大きな病院で、奈保子さんが不妊治療してた。でも、あれはたぶん治療なんかじゃなくて、レイプされてるみたいだった。あたしも研修生としてそこに立ち会ったんだけど、あんな卑怯な場面を見せられて、何を学べっていうんだか」

 聞き流すことができない話だった。
 彼女の夢と自分の夢がつながっているような、不思議な感覚だった。

「それで、私はどうなったの?」

「つづきは会ってから話してあげる」

 そうくると思った──。

「わかった。だけど仕事は休めないから、またあとで連絡する」

 ありがとう、と電話口で喜ぶ彼女の声は、無邪気にはずんでいた。


春眠の花の最初へ 春眠の花 46 春眠の花 48 春眠の花の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前