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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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白雪=憲の理想?-2

「白雪、あんた、太田君を信頼し過ぎよ」
屋上で弁当をつついていたアタシに麻衣がそう言った。
「む、信頼していて何が悪い」
「悪いとは言ってないわよ。ただ、程々が良いの」
「えぇ〜、アタシは別に良いと思うよ。信頼するぐらい」
左前方の麻衣に対して右前方にいる愛里がそう言った。
「白雪のはもう信頼とは呼べない。妄信よ、それは」
「「…………」」
「いい?太田君も男よ?男である以上、ある特殊なケースを除いてだいたいはみ〜んな…スケベよ」
「だから憲は……」
「太田君もよ!」
ズイッと麻衣が詰め寄ってきた。顔に有無を言わせぬ迫力が大有りだ。
「男ってのは、決まった相手が例えいたとしても、他の女を目で追ったり、良いなぁと思ったりするもんなのよ」
「高坂君もかなぁ……」
「って言うか、クラスで一番キャシーに鼻の下を伸ばしてるのは高坂君よ」
愛里の独り言に麻衣がツッコんだ。麻衣の言う事に相違ない。
「うぅ、やっぱりアタシじゃだめなのかなぁ……」
愛里はそう言って、悲しそうな顔をする。
高坂はいい奴ではあるが、かなりニブイからな。愛里も可哀想に。
「う〜む……」
反対にアタシは難しい顔をしていた。麻衣の言っていた事がアタシに重くのしかかってきているような錯覚を覚えた。
まさか憲は……。
その時は、まだそう思っていた。
だが、事態はアタシの予想と言うか考えを見事に裏切ってくれた。

それは三人で屋上昼食会を終えて、教室に戻ってきた時の事だ。
今日はいつもと違って憲とは一緒に食べなかった。たまには女だけで食べたい時もある。
憲は教室で、高坂や他の男たちと談笑していたが……いやに盛り上がっていた。
なんだろう……と、近付いてみると………。
「やっぱり良いよな、キャシー先生!」
「全くだ。あの胸。デカ過ぎだろ」
「ブロンドの髪も良いよなぁ……やっぱり金髪は男の夢だな!」
「彼女にするなら、やっぱりああいうセクシーな感じが良いな!」
な、ななななな……何をしゃべってやがるんだ、あの男どもはぁー!!!!
憲もそんな所にいるな!
毒される!!
そう思っていた矢先に、アタシを悩みの時間に引き込む言葉が現れた。
「憲もそう思うよな?」
高坂が聞いていた憲に話をふった。
「まぁな。美人だし、スタイル抜群、髪も綺麗だしなぁ」
……………………………………………………。
その時の思考状況を文字で表すと上の通りになる。いや、もう文字じゃないな。これは記号だ。
言葉も出ないとはこの事だ。
かくして、アタシは悩みの底へと誘われたのだ。


そして現在に至る。
鏡の前で悩んで、もうそろそろ二時間ぐらい……。
ここで悩んでいても仕方ない……と言うことがこの二時間の成果だった。
迷うぐらいなら行動しろ、と言うことである。
服を脱いで、下着姿になった自分を鏡に映す。
自分で言うのもなんだが、結構スタイルは良い……と思う。
ウエストはしっかりくびれてるし……ちょっと腹筋がつきすぎかな?
胸だって、キャシーには及ばないがクラスの中じゃ多分一番大きい……と思う。この前の体育の着替えの時に何人かに、「触らせて」なんて言われた。
しかし、憲がキャシーの様なアタシを求めているとしたら、アタシはどうしたら良いんだろうか……。
……美容整形にでも行くか?
いやいやさすがにそこまでは出来ない。母さんからもらったこの体を傷つけることになる。
って事はだ。スタイルはこのままで(もしかしたらもっと成長するかもしれないし)もっと……こう、色気をつける、と言うのはどうだろう。
雰囲気的にセクシーになる。
うん、それで行こう!!
………でも、どうしたらそんな色気を纏えるんだろうか。


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