ムカシムカシ-9
「はっ……ふぅっ」
柵を握る右手とスカートを掴んでいる左手がブルッと震えます。
「とりあえず、出そうね?」
パルはきゅっと棹を握り、上下に手を動かしました。
「ア はぁ あ」
自然と息があがり、目が霞んできます。
腰から背中に電気が流れ、全身を巡るようでした。
「あっ パルっ離し……」
ガクガクする膝で何とか立っているリュディは、漏らしそうな感覚に襲われて焦ります。
「でそう?良いよ♪出して♪」
パルの手に力がこもり、動きが速くなりました。
「やっ ああっ」
快感が男性器に集まり一気に爆発します。
「あ……はぁっ……はぁ……」
リュディは柵にもたれる様にズルズルと座り込み、パルの手をべったりと汚した自分の精液を眺めました。
「……分かってたけど……なんか……ショック……」
自分から精液が出た事実にリュディの目の前は真っ暗です。
リュディなりに受け入れていたつもりでしたが、無意識に拒否していたようです。
見ないようにして事実から目を反らしてきたのに、突き付けられた現実はリュディにとって残酷でした。
「アタシが言うのも何だけどさぁ〜せっかく有るなら使わなきゃ♪」
「……そ……だね……」
現実から目を反らして身体に支障をきたしていたら意味がありません。
それからリュディは定期的にパルに抜いてもらいました。
自分でヌク事もありましたが、パルにして貰った方が気持ち良かったからです。
そんな日々が2年程続いたある日……パルの鼻を嫌な臭いが刺激しました。
何かが燃えている臭い……そして、血の臭い……パルの中に不安が過ります。
『リュディ!リュディ!』
パルは叫びながら柵に体当たりを繰り返しました。
無駄なのは分かっていますが、リュディが心配で堪らなかったのです。
黒い鱗が剥げて肉が裂けます。
血が飛び散り、骨の砕ける音が響きました。
それでもパルは体当たりを続けました。
リュディの姿が見れるまで止めるつもりはありません。
『リュディ!』
どれくらいの間そうしていたでしょうか……パルの腕は今にも千切れそうな程に抉れ、大量の血が石畳を染めていました。