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It's
【ラブコメ 官能小説】

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△△△-1

陽向は家に帰った後、勉強なんてそっちのけで花井早希にメールを送った。
『はじめまして。突然のメールごめんなさい。佐山優菜ちゃんと同じ学部の風間陽向といいます。今日、山口有沙ちゃんのお姉さんからお話を伺いました。……』
陽向は、湊と付き合っていること、優菜にされたこと、山口から聞いた話など全ての事をメールに書き、花井に送信した。
どんな返事が来るかは分からない。
もしかしたら来ないかもしれない。
優菜の居場所を知らないかもしれない。
色々な考えが頭を駆け巡る。
どうか、優菜に会えますように…ただ、そう祈るしかなかった。

花井から返事が来たのは日付けが変わる5分前だった。
お風呂から上がり、リビングのドアを開けた時にメールの着信を告げる短い音が鳴った。
陽向は飛びつくように携帯を手に取り、メールを開いた。
『はじめまして。優菜とのことは、聞いてました。風間さんと直接お話がしたいです』
震える手で返事を打つ。
色々と聞きたいことがあるが、質問責めするのもどうかと思い、やめた。
何度かメールのやり取りをし、来週の土曜日に会うことに決まった。
どんな人なのだろう。
優菜の友達ということは、やっぱりフワフワ系なんだろうか。
陽向は土曜日のことを妄想しながら眠りについた。

翌日、就活帰りの湊から『メシ食い行こ』とメールが来ていた。
早めに勉強を切り上げて指定された『インディアン』に向かう。
店内に入るといつものマスターが「いらっしゃい」と陽向に笑顔を向けた。
「こんばんは」
「彼ならあそこの席にいるよ」
湊とは何度も来ているので、マスターもすっかり顔を覚えたようだ。
お礼を言い、マスターが指差した席へ向かう。
「遅くなってごめんね」
スーツを身に纏った湊の向かいに座る。
なんだか新鮮だ。
しかも似合い過ぎていて、胸が高鳴ってしまう。
「お疲れ。今日も勉強?」
「もちろん」
「こんな時期からやんのかー。国試って大変なんだな」
「うん…」
なんか、ドキドキする…。
「どした?」
「え」
陽向はキョロキョロした後、湊を見て、また目を逸らした。
「あんだよ」
「いや…スーツ…」
「スーツがどーした」
「…かっこいいなーと思って」
陽向が照れ笑いすると、湊はニッと右の口角を上げた。
「なに?そんな顔して…誘ってんの?」
「誘ってないって!…あっ、ほら飲もうよ!」
その後はからかわれながらお酒を飲み交わし、いい感じに酔ったところで店を後にした。
帰り際、マスターが「お土産」と言ってタコの唐揚げを持たせてくれた。
相変わらず、渋い。
夜道を歩いていると、湊が口を開いた。
「俺さ、調理師免許とろーと思ってんだよね」
「調理師免許?」
「そ」
「料理人になりたいの?」
「んー、まあ」
好きなことしたいって前に言っていたのを思い出す。
湊は料理するのが好きだったんだ。
そういえば、料理上手だもんなぁ…。
「2年キッチンやれば、免許とる資格もらえんだって。とりあえず2年働いてみて、それから免許とろーと思って」
「え、じゃあ2年間どっかでキッチンやるの?」
「そのつもり。免許とったらもっといい店行って、将来は自分で店開きたい」
湊がこんなに自分のことを語るのは初めてだ。
素敵な目標もあるし、応援してあげたいと思う。
「頑張ってね!あたしも看護師頑張るから!…その前に国試受からないと」
「そだな」
そのまま2人で湊の家に帰る。
リビングに入ると、湊はあくびをしながらスーツの上着を脱ぎ、クローゼットに掛けにベッドルームへと入って行った。
その後を追いかける。
ネクタイを緩めている湊の手を握る。
「なに?」
「あたしがやる」
「なんでよ」
「やりたいの」
「ほれ」
湊は笑いながらその場に立った。
陽向がネクタイを握ろうとした時、湊にその手をグッと掴まれて壁に押し付けられた。
「ぃあ!ちょ…ちょっと!」
いきなり強引なキスをされる。
「んんぅ…ぁ…」
湊はもう片方の手も掴み、左手で陽向の両手を壁に押し付けると、空いた方の手で腰を引き寄せた。
大きな手が身体を撫で回す。
唇が離れ耳に舌が移動してくる。
身体の力が抜けて、ゾクゾクする…。
「み…湊……」
身体を捩ると、小さい胸が湊の硬い胸板に押し付けられた。
「ぁ…手、痛いよ…」
「わり…」
両手を解放される。
陽向は湊の背中に腕を回して抱き締めた。
湊も、頭を撫でて抱き締めてくれる。
ベッドに座り、湊は壁にもたれると、陽向を引き寄せて後ろから抱き締めた。
「耳赤いぞ」
「湊がいきなり変なことするからでしょ」
「お前が誘うからだろ」
「誘ってないもん…」
「うそ」
「うそじゃないもん」
「じゃあ俺寝ていい?」
「…だめ」
湊はクスッと笑うと、優しく陽向の胸に触れた。
陽向は湊にもたれて甘い吐息を漏らした。
薄手のニットの下から大きな手のひらが入り込んでくる。
「こっち向いて」
見上げると、短いキスをされた。
「ベロ出してごらん」
「ん…」
ちょこんと舌を出すと、舌先だけを絡めるだけのキスをされる。
徐々に激しく口腔内をおかされるような動きに変わる。
「ふ…んっ…」
長いキスを終えた後、上半身の服と下着を脱がされ、直に胸を揉みしだかれる。
身体を反転し、湊に抱きつく。
「おっぱい触れない」
「チューして…」
見上げると「その顔反則」と言って湊は陽向にちゅっとキスをした。
「これでいい?」
「やだ。もっと…」
今度は陽向から短いキスをする。
互いに笑い合う。
蕩けそうな笑顔で湊は「エッチしなくてもいーや…可愛いから」と言って陽向のほっぺたを両手で包んで言った。


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