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男女四人春物語
【純愛 恋愛小説】

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第三話-6

    ***

ヨッシーとクラコの会話(通話)を最後まで聞くことなく帰宅すると、なぜか家にクラコの姿があった。母さんと夕飯の支度をしている。

「で、何してんの?」
「何って何が?」

質問に質問で返された。

「ちょっと凌駕。どうして話してくれなかったのよ」

母さんが割って入ってくる。彼女との甘い(?)時間を!

「は?」
「倉敷さんと付き合いはじめたんだって?びっくりしちゃったわよ」

話したのか?とクラコに目で訴える。当然のように首肯された。

「そう?私はようやくか〜って感じだけど」

雑誌を読んでる姉ちゃんまでもが話に入ってきた。
家族に話すつもりはなかったのに。

「倉敷さん。あとちょっとで終わるから、もういいわよ」
「お気遣いありがとうございます」

クラコはちらっと一瞬俺と目を合わせると、何も言わずに居間から出ていった。俺は慌ててそれを追いかける。
クラコが向かった先は当然のごとく俺の部屋で、そこには見慣れないーーいや、旅行などでクラコが使っていた赤いキャリーケースがあった。

「なんだこれは」
「私の荷物。リョウの部屋に泊まるから」
「泊まる・・・?何も聞いてないけど」
「そりゃあね。言ってないもの」

なるほど。それじゃあ俺が知らないのも無理はない。何せ今聞いたのが初めてなのだから。

「って待て。俺に断りもなく俺の部屋に泊まるつもりか?」
「イヤなら帰るけど」
「イヤじゃ、ないけど・・・」

ヨッシーやユイを含んだ四人で寝泊まりしたことは何度もあるけれど、クラコと二人でというのは今まで経験したことがない。おまけに俺たちは恋人同士なので、よからぬ想像をしてしまう。

「じゃあ決定ね」
「一応聞いておくけど、同じ部屋で寝るのか?」
「そうよ。同じ部屋の同じベッドの上で寝るの」

な、なんだ?今の言い方だと、まるで誘っているみたいじゃないか。いやしかしクラコに限ってそれはないか。

「ね、ねぇリョウ」
「な、なんでしょうか」
「なぜ敬語。こほんっ!リョウ、その、ベッドに横になりなさいよ・・・」
「・・・・・・え?」


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