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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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ミドリノヒミツ-6


「床でぶつけたんかな……?ま、いいか……」

 大した事無いや、とテオは気にしない事にし、リュディに続いて飲み食いしたままだった部屋を片付けにかかった。


 ギルドの食堂で冒険者達にからかわれながら食事を取り、テオはバイトに行く。

「送って行こうか?」

 テオの言葉にリュディはふるふると首を横に振って微笑む。

「……昨夜はありがとう……じゃあ、元気で……」

 くるりと踵を返したリュディはスタスタと街の中へ消えて行った。

「またなぁっ!!」

 テオは大声でリュディに言った後、反対側へと歩き出す。

(……うん……また……会いたい……)

 リュディとパルは今日中に街を出る予定。
 テオはまだ仲間を見つけていないようだが、ギルドでの可愛がられぶりを見ると直ぐに仲間が見つかりそうだ。
 その後、リュディ達と同じ方向に行くとは限らないし、同じ方向だからと言って会える確率はかなり低いが……リュディはテオとの再会を、旅の神に心から祈るのだった。


 自分の宿に戻ったリュディは、不貞腐れたパルを見てため息をつく。

「……美味しくなかった……?」

「あ、おかえり♪ん〜…美味しかったけど性格が最悪ぅ〜くわえてやったのにガンガン突いてくるんだもんっ」

 だから搾れるだけ搾り取って、夜中に街の外に捨てて来た、とパルは憤慨して言う。

「パル」

 パルに食われた人間は朝まで目が覚めないと言うのに、氷点下の砂漠に捨てたというのか、とリュディは厳しい顔でパルを責めた。

「だ〜いじょおぶ。ちゃんと見張り台から見える位置に捨てたし、救助されるのも見届けたもん」

 パルはヒラヒラ手を振ってリュディの視線を受け流す。

「……そう……」

 命が無事なら別に良い……正直、リュディだってそんな男は大嫌いだ。

「ね。テオ元気だったぁ?」

 ベットにコロンと寝そべったパルの質問に、リュディは少しムッとする。
 パルだってテオに会ったくせに……元気かどうか知ってるくせに……。

「……元気だった……」

 そんな胸の内を微塵も感じさせない口調でリュディはさらっと答えた。

「何でテオの居場所知ってたの?」

「……駆け出しって言ってたから……ギルドに居るかな、と思っただけ……」

 何か尋問みたいだな、と思いつつ素直に答えるリュディ。



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