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大人への階段
【ロリ 官能小説】

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渡り廊下-1

目が覚めた。

ぐっすり眠れたようで、身体がとても軽い。
パジャマから洋服に着替えると、階段を下りて食堂に向かった。

母とアミはすでにテーブルに着いていた。
父は昨日も会社に泊まり込みだったらしく、帰ってきてる様子はない。

「あ、お兄ちゃん、おはよう!」
僕を見るとアミは大きな声で挨拶をしてきた。
昨日のことなんかケロッと忘れたような感じで、いつもと態度は変わらない。
水色のスカートが涼しそうだった。
「おはよう」
いつもと変わらない態度で、僕も返事を返した。

「もうすぐパンが焼けるから。牛乳は飲む?」
「うん、飲む」
母の質問にそう答えると、母は僕がいつも使うグラスに牛乳を注いでくれた。
牛乳を注ぎながら、ちょっと上目遣い気味に僕を見ていた。
ずっとこちらを見ているので、不思議に思って見つめ返すと、さっと視線を外した。
なんだろうと思ったけど、喉が渇いていたので、聞き返さずにグラスに注がれた牛乳を飲んだ。
冷たくておいしかった。

特徴のある赤縁メガネをかけている母の今日の格好は、黒の上下を着て、首にお気に入りのターコイズのネックレスをしていた。
長い黒髪をブラウンの髪留めで留めていて、いかにも知性的な感じを醸し出している。
口元のホクロは、子供心にもセクシーな感じを与える。
いつも優しくて知性的な母を僕は尊敬しているし、大好きだ。

僕は蜂蜜、アミはブルーベリージャム、母はマーガリン。
それぞれ別のスプレッドを塗って食パンを食べた。


学校で授業が始まる。
この日は僕の好きな社会はなく、国語、算数、図工(2時間)、道徳といった時間割だった。
僕はずっとサナとジュンのことを考えていた。
彼女たちとは1、2年生の頃にクラスが一緒だったけど、それ以降は別々のクラスだった。
あまり会う機会もなく、話した記憶もない。
入学してから今まで、ほとんど接点はなかったと思う。

どちらかと言うと、ジュンよりもサナの方がとても気になっていた。
彼女にはうまく言葉で言い表せない、何か不思議な魅力があった。
容姿が妹のアミに似ていることも関係しているのだろうか。
もう一度、サナと会って話がしたい、そう思った。

2時間目と3時間目の間に20分間の中休みがある。
その中休みが始まると、僕はサナがいるはずの隣のクラスの前まで来た。

でも、会って何を話すと言うのだろう。
昨日の女子トイレでのことについて?

僕にはそんなことを話題にするつもりも、またその勇気もなかった。

やっぱりやめておこう、そう思って振りかえると、すぐそこに当のサナが立っていた。
「わっ!」
驚いたあまり、僕は飛び退くように身体を反らせて情けない叫び声を揚げていた。
サナも目を大きく見開くようにして驚いていたけど、僕が誰だかわかったのか、フッと安心したように顔をほころばせた。
「あっ、えっと、その…」
「田辺クン…だよね?」
僕がしどろもどろになっていると、サナはそう言った。

彼女に名前を呼ばれて、何だか妙に嬉しかった。
その一言で、僕の彼女に対する心の壁が一つ剥がれたようだった。
「あ、うん。キミは桂木さんだよね?」
僕がそう言うと、彼女はコクリとうなずいた。
「最初の頃、一緒のクラスだったよね。あまり話したことなかったけど」
健康そうな色黒な肌で、活発そうなショートヘア。
二重の大きな黒目勝ちな目。薄い唇。
一見、別人のようだけど、やはりどことなくアミに似ている。

「こんな所で何してるの?もしかして、あたしに会いに来た?」
的を射たその質問に、僕はまたもしどろもどろになってしまった。
そんな僕を見て、彼女はクスクス笑った。
「田辺クンて、すごく正直だよね。裏表がないって言うか。あ、別に田辺クンが馬鹿だとかそう言うこと言ってるんじゃなくて。とても素直って言うか、一緒にいて安心できる人って言うか」
何だか十分馬鹿にされているような気がしないでもないけど、僕は何も反論せずに黙っていた。
サナも下を向いて言いにくそうにしていたけど、やがて顔を上げて言った。
「もしかして、昨日のことで何か言いに来たの?誰かにしゃべったりした?」
僕は慌ててブルブルと顔を左右に振ってその質問に否定した。
サナは何も言わずに、じゃあ何の用なの?という顔をしていたけど、僕は何も言えずにうつむくばかりだった。
「ねえ、ここじゃ何だから、向こうで話しようか」

僕とサナは、渡り廊下の窓際の腰掛けに座った。
窓際の腰掛けは半円を描くように設置されていて、座ると外側の窓からは頭しか見えない。
上履きを脱いだサナは膝を抱えるようにして腰掛けの端に座っている。
その隣に、僕は普通に足を下ろして座っている。
こうすると、僕や壁でちょうど死角になって、近付かないかぎりサナの姿は周りには見えなくなる。

サナは赤いチェックのスカートを履いていて、膝を抱えているので中の白いパンツがチラチラと見える。
僕はそれに気付かない振りをして平然を装った。
「あたしたちって、1、2年生の時に一緒のクラスだったよね。覚えてる?」
「うん…」
僕はただそれだけ言ってうなずいた。

サナは構わず話し続けた。
「あまり一緒にしゃべったことなかったね」
「うん…」
僕は馬鹿みたいに同じ返事しかできない。
意外によくしゃべるサナに圧倒されていたのと、さっきから気になってしかたないちらちら見えるパンツのせいだ。


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