投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

また君に会いたい
【その他 恋愛小説】

また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 72 また君に会いたい 74 また君に会いたいの最後へ

君に忍び寄る魔の手-6

急いで十字路を右に曲がり、サンダルが落ちた場所に近づく。


汚い食堂の前に落ちていたサンダルを拾い上げようとした瞬間、芽衣子の短い悲鳴が聞こえ、俺は慌てて声のする方に顔を向ける。


しかし、それでも彼女の姿は見当たらない。


街灯もほとんどその役割を果たしていない薄暗がりの中、焦る気持ちをなんとか抑えながら意識を聴覚のみに集中させて、耳を澄ます。


服が擦れるような音、裸足でビタンビタンとアスファルトを打ちつけるような音、こもるような芽衣子の呻き声が耳の中に響くと、芽衣子がいるであろう場所の見当が大体ついた。


そこは、俺がサンダルを拾い上げた場所から数メートルほど奥まった所だった。


芽衣子の気配を感じたのは、この食堂の駐車場からで、そこはわずか一台しか停められないささやかな場所になっている。


しかも、そこは隣や裏手の住宅の塀に囲まれていて、一際見通しが悪い。


ただでさえ薄暗いこの周辺に、ここから闇を供給しているんではないかというほど、一際暗く気味の悪い空間だった。






また君に会いたいの最初へ また君に会いたい 72 また君に会いたい 74 また君に会いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前