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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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メシアガレ-4


 真ん丸の口はポッカリ開いており、口の内側にはびっしりと細かい歯が並んでいる。
 口の周りにはうねうね蠢くピンク色の触手、正に芋虫な身体は乳白色で身体に生えた毛は半透明。
 巨大なクセに動きが速いサンドワームは、凄い勢いでテオを飲み込もうと迫ってくる。

「せえのっ!!」

 テオは迫ってきたサンドワームの口の端っこを蹴り、ぐるんと身体を捻った。
 そして、なんとサンドワームの身体に股がったのだ。

『シャアアアアア』

 獲物を失ったサンドワームは口から空気を吐き出して怒り狂う。
 砂の動きを敏感に察知する身体の毛は、直接触られると逆に感知しにくかったりするのだ。

「パル!」

 呆気にとられていたパルは、テオの声でハッと我に返る。

「こっちだよっおいで」

 パルは陥没してない地面に降り立つと、トントン地面を踏んだ。
 それに気付いたサンドワームは、ぶよぶよの身体をのたくらせてパルに向かう。
 地中からの奇襲攻撃は一回きりの技だ。
 後は逃げる獲物を追いかけて食らうしかない。

「ほらほら、美味しいよぉ〜♪」

 からかう様にあっちこっち飛び回るパルを素直に追いかけるサンドワーム。
 頭は良くない生き物なので、本能のままに動くだけだ。

 その間、テオはサンドワームの身体の上を走っていた。
 目指すは身体の端っこ……口とは逆のお尻の方だ。

「……と、あった!」

 テオが探していたのはサンドワームの『核』。
 異世界から来た『魔獣』を祖先にもつ『魔物』や『精霊』には『核』がある。
 人間で言えば心臓に当たる『核』は、いわゆる急所。
 こんなデカイ芋虫を倒すには、急所をひと突きが一番効率が良い。

 サンドワームの乳白色の皮膚の下からうっすら透けて見える『核』は、琥珀色の光りを放ちながら明滅していた。
 テオは腰の後ろに挿していた刀を逆手に抜く。
 テオの愛刀であるそれは、背の部分にギザギザの溝が入ったサバイバルナイフ。
 普通のより長めで、手首から肩ぐらいまである。
 テオはそれを2本携帯しており、いざという時は両手で使う二刀流だ。
 そのサバイバルナイフを両手で握ったテオは、『核』に向けて思いっきり振り下ろした。
 ビクンッと身体を硬直させたサンドワームは、突然暴れだす。



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