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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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メシアガレ-3


「ふ〜ん……」

 まあ、エザルまでの仲間だし深く聞くのはやめておこう、とテオもこの話を止めておいた。

 暫く進んでいると砂蜥蜴達が落ち着きなくたたらを踏んだ。

「?どうした?」

 不安気な砂蜥蜴の様子に、テオは地面に降りて首を撫でてやりながら周りを見渡す。

「?!」

 周り……というか、足の下からが伝わってくる振動……この感じは……。

「!サンドワームだ!」

 砂漠に生息する生き物の中で最も巨大な生物、サンドワーム。
 普段は砂中深くで寝ているが、腹が減ると地上に上がってきて砂ごと周りのものを飲み込む巨大な芋虫だ。

「動くなよ!!」

 サンドワームの身体にはびっしりと毛が生えている。
 毛というかどちらかというと短い針のような触手……それで生き物の動きを感知して、真下から狙ってくるのだ。

「おい、オレ抱えて飛べるか?」

 テオの問いかけに外套を脱いだパルは黙って翼を広げた。
 そのままそっと空に飛び上がり、テオのわきの下に手を差し入れて持ち上げる。

「どうするの?」

「あっちの方で降ろしてくれ。援護よろしく」

「了解」

 囮になる気満々のテオの顔は爛々と輝いている。
 一緒に旅をするようになって、バトルをするのは初めて。
 ここはお互いの力量を知るのに良い機会だ。

 パルはリュディから離れた場所に行くと、高めの位置から手を離す。

「よっと」

 ザッと音を立てて砂の上に降りたテオは、何度かその場で足踏みした。
 すると、地面からの振動がピタリと止まり、辺りを静寂が包む。

「こっちこっち!」

 迷っているらしいサンドワームに向けて、テオはぴょんぴょんジャンプした。
 ズズっと大きく地面が震えた後、ズズズズと細かい振動が続く。

「よ〜しよし、良い子だ」

 テオは唇を舐めてタイミングを計った。

ボコン

 いきなりテオの足元が陥没し、身体が一瞬宙に浮く。
 そして重力のままテオは下へと落ちて行った。

「テオ!」

「だ〜いじょうぶ!」

 それで良いのか、と声をかけたパルに向かって後ろ手に親指を立てたテオは陥没した地面の中心を見ている。
 その中心から、ブワッと砂が吹き出してきた。
 テオは両腕で顔を庇い目を細める。
 吹き出した砂の勢いで再びテオの身体が一瞬止まった。
 それを逃さず、やっとサンドワームが姿を現した。



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