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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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メシアガレ-1


ぴちゃ ぴちゃ

 砂漠では珍しい水の音が耳についた。
 と、同時に下半身を襲う何とも言えない快感。

「…………をい」

 テオは毛布を捲って中に潜り込んでいる人物を睨む。

「をはおぅ、ふぇお」

 毛布に潜り込んでテオの朝勃ちしたイチモツにしゃぶりついていたパルは、口を離す事なく答えた。

「をはおぅ、じゃねぇよ。何やってんだ」

 テオは寝惚けたままの頭で目をしぱしぱさせる。

「ふぇふぁひほぉ」

「は?」

「んぱっ……フェラチオしてんのっ!!」

「見たら分かるわっ!この淫乱暴食魔物っ!!」

すぱーんっ

 間抜けなやり取りの後、テオの怒鳴り声と軽快な音。
 その音を聞いていたリュディは、テントの外でそっとため息をついたのだった。


「いったぁ〜い」

 パルは叩かれた頭を両手で擦りながら頬を膨らます。

「うっさい」

 テオは憮然とした顔をタオルで拭いていた。

(ああ〜…風呂入りてぇ〜…)

 水浴びでも良い……とにかく身体を綺麗にしたい。
 まあ、砂漠だし水なんて贅沢に使えない環境だ。
 分かってはいるが、砂漠に入って3週間……ジャリジャリするし、拭いきれない汚れをどうにかしたい。

「おはよう。パル、テオちゃん」

「おはよう。リュディ」

「リュディさん、おはようございます」

 朝の挨拶を交わす3人だったが、あまりのテオの態度の違いにパルは膨れていた頬を益々膨らました。

「なぁんでリュディには『さん』付けなうえに敬語なのよぅ」

「年上だし薬剤師だから」

 ずばっと答えたテオの言葉はごもっとも。

「私は?」

「淫乱暴食悪食魔物」

 人間の精を糧とするパルは立派な魔物。
 別に精を食われても死ぬわけじゃないし、気持ち良いのだが、その後の疲労感が半端ない。
 しかも、知り合って2週間ほど経つが毎日毎日毎日毎日、朝昼晩と仕掛けてくるのでテオの態度が冷たいのだ。

「私も年上だよぉ?」

 魔物なので人間と基準が違うが、もう50年以上は生きている。

「論外」

「酷〜い。初めての時は優しかったのにぃ〜」

「男が優しいのは初めだけだ。覚えとけ魔物」

 最近じゃ名前さえ呼んでくれない。
 パルはぷうっと突き出した唇を指で押していじける。



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