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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Portrait-10

「い、いいから、離れなさい。自分で歩ける・・・」


「そのような冷たいことをおっしゃらないで。

我々は身体を重ねた仲ではありませんか」



「 !!! 」




画家の言葉が、
セリスの脳裏にかつて自分がモデルになった時の情景を鮮明に蘇らせる。


一瞬彼女の身体が硬直したのを察しつつ、
画家は自らの身体をセリスのそれに密着させたまま、まるで引きずるようにしてセリスの身体を奥へと導く。

なぜか手足の力が入らないセリスはされるがまま。
腰に下げていた剣にも手をかける余裕はない。

僅かに荒ぎはじめた画家の鼻息を耳元に感じながら、
セリスは声を上げることなく奥へ奥へと向かっていた。



「―――――・・・・さ、どうぞ横になってください」



向かった先は美術館の奥にある一室。

部屋の隅にキャンパスや絵画用の資材が積まれている以外は、小さな窓が1つだけの小部屋であった。


だが予想外にも装飾自体は小綺麗であり、部屋の真ん中には身体を横たえられる幅はあるソファーが置かれ、

殺風景と思われた部屋の壁には
動物を模した幾つかの仮面―――猿、獅子、鳥等、
夕日を浴びる湖を描いた風景画、

そして
上から白いシートを被せられた“1枚の絵画”がかけられてある。



身体が言うことを効かないままセリスは部屋の情景をその瞳で確認していた。

セリスの身体はソファーの上にまるで沈み込むような感覚のままゆっくりと仰向けに横たえられた。

セリスの身体から画家の体温と触感が消え、彼女の瞳には真上に広がる天井の模様が広がる。



セリスの視界から消えた画家は部屋の隅で何かゴソゴソと音をたてている。どうやら何かを持ち出しているようだ。



「少しは楽になりましたか、セリス様?」



「ええ・・・大丈夫よ・・・・・」



画家の言葉に返事しながら首を横に動かしたセリスは、部屋の隅から自分の方に近づいてくる画家の姿を捉えた。


両手に絵の具セット一式と白いキャンパスを抱えるようにして。




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