君と僕と友達と-11
これを見ていたらさすがの俺でも気付いてしまう。
彼女がまた席を外して部屋を出て行った瞬間、俺は
「なんだお前、芽衣子さんに惚れたか？
いつものテンションはどこ行ったんだよ」
と、ニヤニヤしながら久留米の顔を覗き込んだ。
すると奴は、酒で赤くなったんだか、照れて赤くなったんだかわからない顔でこちらをジロッと睨みつけると、枝豆の殻を俺の顔面に投げつけてきた。
「ちげえ、バカ。
あんな胸元の開いた服着て目のやり場に困ってるだけだ」
久留米はごまかすようにぬるくなったビールを一気に飲み干していた。
俺はその言葉に若干違和感を覚えていた。
以前久留米と一緒に参加した合コンなんかでも、今日の芽衣子より際どい服を着てくる女の子はたくさんいた。
そんな時、久留米は大はしゃぎで女の子の胸の谷間や太ももなんかをガン見していたはずだ。
そんな久留米が、たかだかあれくらいの露出で目のやり場に困るなんて言うはずがない。
それに人見知りしないはずの久留米が、芽衣子に限ってはなぜよそよそしい態度をとっているんだろう。
そんな疑問がふと頭をかすめたけれど、考えるたびに芽衣子やエリナが話しかけてくるから、次第にそんな疑問を持ったことすら遠くに行ってしまい、その答えを考えないまま、ひたすら彼女達と楽しい時間を過ごしていた。