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仄か
【その他 官能小説】

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 気がつくと、私は、通路側の席に座ったまま、子育てのしおりを読んでいた。

 そして、窓側の席にいる女の子は、着衣に乱れもなく、気持ちよさそうに眠っている。

 妄想に入り込む前と、そっくりそのままの光景に、なんて馬鹿なことを考えていたのだろうと、思わず反省した。

 しかし、どうしてだろう。

 あれだけのことを妄想していながら、私の体は、何の反応も示さなかったのだ。

 隣の彼女は、私の人格を信用して、すやすやと寝入っているのだと思う。

 ならば私は、彼女のボディガードにならなければいけない。

 その気持ちは、いつしか、自分の娘への思いと重なっていく。

 定年退職などない、たった一人のボディガードである。


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