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仄か
【その他 官能小説】

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 腕組みをして、肘で距離感をつかむ。

 他人なのか、顔見知りなのか、二人の関係を知る者は、おそらくまわりにはいない。

 もっと腕を寄せて、彼女の産毛に、男の産毛が触れる。

 一瞬だけ反発する、肌と肌。

 それでも彼女は、目を覚まさない。

 野獣のような男の心音が、穏やかな彼女の心音を、呑み込もうとしている。


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