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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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イタダキマス-6


「よく我慢したな。偉いぞぉ〜」

 抱えていた脚を降ろしたテオが砂蜥蜴の眉間をカリカリしてやると、砂蜥蜴は喉をクルクル鳴らして顔を擦り寄せて甘えた。
 すると、見ていた他の砂蜥蜴も顔を寄せ、自分も自分もと愛撫をねだる。

「わたたたたっ順番っ!」

 砂蜥蜴が4頭、1人の人間に集っているのはまるで捕食シーンだ。
 結局、4頭が満足するまで砂蜥蜴の全身マッサージをする羽目になるテオなのだった。

 その後、パルとリュディは予定より多くの食料と水をテオに分けてくれた。

「いいのか?」

「勿論!アタシじゃ2号さんの脚に何か刺さってても気づかなかったと思うし」

「あのまま進んでたら抜けない所に入り込んで、最悪、殺処分だった」

 動けなくなった砂蜥蜴は利用価値無しとして食肉になる。
 自分達が責任を持って運んでいるのだから、それだけは避けたかった。

「そっか、なら遠慮なく」

 テオは分けてもらった食料を物色し、あまり保存の効かないのを選んで先に食べる。
 無茶苦茶お腹は減っていたが、いきなり食べると胃が痛くなるので良く噛んでゆっくりと。
 そうして食べていると、何だか視線を感じてテオは顔を上げた。

「?何?」

 じっと見ていたのはパル。
 彼女はテント内で腹這いになり、両肘をついた手に顎を乗せてニコニコしていた。

「テオ、何歳?」

「17」

「冒険者?」

「駆け出しのな」

「どこ行くの?」

「エザル。そこで資金稼ぎと仲間探しの予定」

「ふうん、なら一緒に行こうよ」

「…………は?」

 もしゃもしゃと食べながら返事をしていたテオは、パルの言葉に手を止める。
 そして、リュディも薬草分類の手を止め、少し嫌な顔をした。

「アタシ達もエザルに行くし、旅は道連れって言うじゃない?」

「ああ、まあ……そりゃそうだけど……」

 一緒に行ってくれるならテオ的に助かる。
 2人は旅慣れてるし、エザルはまだ遠い。
 ただ、気になるのは嫌な顔をしているリュディだ。
 テオがリュディに視線を向けていると、パルがちょっと振り向いて笑う。

「リュディ?良いよね?」

「……パルが良いなら構わない」

 正に渋々といった感じで許可したリュディが気にはなったが……。

「じゃ、エザルまでよろしく!」



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