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朱炎の記憶
【熟女/人妻 官能小説】

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朱炎の記憶-7

「――まだ、出来そう?」

 ハルミは躊躇いがちに呟く。彼女はまだ満足していないのだと思った。
 もう少し時間を置けば出来るんだが……。
 どう答えるか迷っていると、俺が答える前に、ハルミは俺の股間に顔を近づけてくる。
 そして、俺の縮んだものを口に含み、吸い始めた。
 そんな部位を口に含むという行為そのものに俺は大いに高揚した。
 大人の女が俺のものを顔を歪めて一心不乱にしゃぶるさまが、途轍もなくいやらしい。
 ハルミの生暖かい口内で生き物のような舌の動きに、どんどん硬直を取り戻していく。
 やがて元通りになると、ハルミは俺の横に転がった。

「今度は、サダオ君の番」

 自身の肉感的な太ももを両手で抱えて、彼女は俺を求めた。
 先程まで俺が入っていたそこは、ぽっかりと広がっていて、肉穴が呼吸をするようにぱくぱくと収縮している。
 見ていると、そこを確かめずにはいられなくなってくる。
 この穴は、一体何なんだろうか。男の何もかもを吸い込んでしまうようにすら思えた。
 
「ほら、早くぅ」

 ハルミが甘い声を出して、ずっと年下の俺に挿入をねだる。
 言われなくても。俺は、硬直をハルミの入り口にあてがうと、腰をそこに押し込んだ。
 その瞬間、ハルミは蕩けるような声を出した。
 ぎこちなく腰を引き、その後突くと、ハルミはそれに応じて楽器のように反応する。
 なんていやらしい、でもたまらなく綺麗で、頭の奥で感じてしまうような声だ。
 俺はその声と、硬直に絡みつく得も言われぬ感触にすっかり脳の奥を侵食されて、またもや一気に射精してしまった。




「フフ、やっぱり若いのねェ。こんなにいっぱい出して」
「あの……すいません。早く、終わってしまって」
「男のはじめての時って、そういうもんじゃないの? あたしで感じてくれたのなら、嬉しいしさ」
「ハルミさんは、とても綺麗ですよ」
「フフ、そう? お世辞でも嬉しいわ」
「ハルミさんは、その、気持よかったですか?」
「女にそういうこと訊いちゃ、駄目よ」
「でも、俺もよくなって欲しかったから」
「そうね、よかったわよ。もう少し、我慢してくれればなおよかったかな?」

 ハルミはそう言うと。屈託なく笑った。
 俺の脅迫まがいの行動から始まった思いもよらない初体験だったが、何故ハルミがここまで俺によくしてくれたのか、今ひとつ理解しかねた。
 ただ、彼女の笑顔から一抹の寂しさを心の何処かに俺は感じていた。
 その寂しさを埋めるために、俺は利用されたのかもしれない。
 俺とハルミは、ほんのしばらく、夏の暑い間にこうした関係を続けていく。
 そして、夏の終わるときに、俺は女の深淵の一部に触れることになった。


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