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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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サヨナラの果て-3

その名前を聞いた瞬間、胸がズキッと痛む。


最後に見せた彼の上げた手。部屋を出て行く時に聞こえた彼の鼻をすする音。


優真先輩の気持ちはきっと本物だったはずだ。


彼が微笑んでくれた時の顔を思い出すと、目の奥からジワリと涙が滲んできた。


そんなことに気付かない吉川くんは、矢継ぎ早に言葉を紡ぎ出す。


「ってことは、福原さんは寺島先輩とヨリ戻したんだろ? よかったなー、寺島先輩。おれ、先輩に『どっかいい感じで食事できるところ知ってる?』って訊かれてたんだ。なんでも、勝負所だから絶対ハズレのないとこ頼むって言われてたんだけど、やっぱり相手は福原さんだったんだね」


無邪気に真相を話す吉川くんの声が、やけに遠く聞こえた。


……そうだったんだ。


だよね。お店の名前を聞いた時、優真先輩にしてはやけに気の利いたお店を知ってるなあなんて思ってたけど、それは吉川くんにリサーチしてたんだね。


ちょっぴり冴えない吉川くんだけど、バンドをやってるせいか彼には可愛い彼女がいる。


それを知ってたから、吉川くんは女の子が喜びそうなお店を知ってるって思ったんだよね、きっと?


たった数日間だったけど、一緒に過ごした優真先輩のいろんな姿が次々に瞼の奥に蘇ってくる。


おどおどしながらも、あたしの異変に気付いて心配してくれたあの上擦った声。


陽介とくるみさんが一緒にいる所を見て、泣いて帰ったあたしを、偶然が重なったとはいえ、迎えに来てくれた優しさ。


辛くて死にそうだったあたしの寂しさを埋めてくれたキス。


陽介を忘れさせようとして抱きしめてくれた身体の温もり。


そしてサヨナラしたときの彼の丸まった背中。


以前にあたしを裏切った負い目があるかもしれないけれど、それを差し引いても、彼はあたしに対してまっすぐな気持ちをぶつけてきてくれた。


優真先輩の真剣な想いが改めて胸に染み渡る。


でも、あたしはそれに応えることはできなかった。


「……先輩」


あたしは両手を合わせて鼻と口を隠しながら、必死で溢れてくる涙をこらえていた。



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