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5日間の恋人
【悲恋 恋愛小説】

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5日間の恋人-4

 「もしもし?」
 「おはよう、伊吹。ゆっくり眠れたみたいだね。」
 「冬哉!?なんであたしの番号知ってるの?それに、携帯!バッグに入れっぱなしだったはずなのに、なんでここにあるの?」
 (昨日のこと、やっぱり夢じゃなかったのね。)
 仕事に行く必要がないと思っていたけど、昨日あったことは夢だったんじゃないかと考えていた。でも、こうして冬哉から電話がきたことが夢じゃなかったということを物語っている。
 「携帯、ないと連絡とりにくいだろ?だから、伊吹が使ってた携帯と同じ物を用意したんだ。」
 「そんなことより、いい天気だよ。デートしようよ。1時間後に迎えに行くから、準備しといて。」
 「え?だって…。デートってゆったってどうするの?どこに行くの?どうやって?」
 あたしの混乱している様子がおかしかったのか冬哉は笑いながら、
 「いいからいいから。とにかく準備しといて。じゃ1時間後に行くからね。」
と言って電話を切った。
 (デートぉ!?そりゃ、5日間、恋人になったら生き返らせてあげるって言ってたけど…。)
 あたしの頭の中は‘?’でいっぱいになったけど、とにかく出掛ける支度をすることにした。
 約束通り1時間後。冬哉が迎えにきた。
 「おはよう。いい天気になったね。デート日和だよ?」
 彼は嬉しそうにそう言った。
 「どこに行くの?」
 (…なんか調子狂う。生き返るために、何もしなくていい、5日間、自分の恋人になってくれればいいって言われたけど…。)
 そんなあたしの思いにはまったく気付く様子もなく、冬哉は嬉しそうな顔をしながらはしゃいでいるように見えた。
 「伊吹はどっか行きたいとこある?もし、特になければね、行こうと思う所があるんだけど…。」
 「いいよ。冬哉が行きたいとこに行こ。」
 「ほんと?じゃ、さっそく出発!!」
 そう言い終える間もなく、冬哉はあたしの手をひっぱり空に向かって飛び出した。
 (すごい早い!それに高い。足元の景色がすごくちっちゃい!飛行機から見る景色みたい。)
 そうして、着いた所は―。
 「ディズニーランドぉ!?」
 「え?ディズニーシーのほうがよかった?どっちにしようか悩んだんだけど…。伊吹、こういうとこ好きじゃない?」
 驚いた。確かにあたしはディズニーランドとかディズニーシーとか、大好きだった。それを冬哉が知っていたことよりも、冬哉が連れてきてくれた場所がディズニーランドだということに驚いた。
 (春斗だったら絶対一緒に来てくれないな。混んでるし、そんな子供っぽいとこなんかって言うだろうな。)
 「やっぱデートといったらディズニーでしょ?」
 そう言いながら、冬哉は少年のように笑った。
 「そうね。デートと言えばディズニーかな?」
 「だろ?伊吹なら絶対そう言ってくれると思ったよ。さぁ!行こう!何から乗る?」
 「…冬哉の乗りたい物でいいよ。」
 冬哉のはしゃいでる姿を見たら思わず笑顔になった。
 (冬哉っていくつなんだろ?見た目はあたしと変わらないよね?あ、でも年とかないのかな?…亡くなった人を行くべき所に案内するなんて、天使みたい。無邪気だし、優しいし、穏やかだし。天使なのかしら?だったら年とかないのかな?…見た目はあたしと同じくらいで…一般的にかっこいい顔してると思うんだけど。)
 無邪気にはしゃぐ冬哉を見ながらそんなことを考えていた。
 「じゃ、伊吹!まずはこれっ!スペースマウンテン乗ろ。」
 「おっけ。でもどうやって乗るわけ?普通に並ぶの?」
 「まさか。おいでよ。」
 そう言うと冬哉はあたしの手を引っ張ると、順番待ちをしている人たちの頭上を飛んでいった。
 「ここにつかまって。あ、出発するよ。」
 最後尾の座席のテスリに浮かびながらつかまった。
 騒音と人々の歓声とともにスペースマウンテンが走っていく。
 (なにこれ?すごい楽しいっ!!)
 「ね、冬哉。次はあれ!ビックサンダーマウンテン!!」


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