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恋文〜放課後の机〜
【初恋 恋愛小説】

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恋文〜放課後の机〜-3

あれこれ考えてるうちに桐島クンはスタスタとあたしの方に歩いて来る。あたしの席はさっきも言ったけど一番左の後ろの席。彼が歩くたびに女子が振り向く。
「…安達さん隣よろしく。」
うっ…。なんて答えるべき!?
いきなり「あたしをいじめてた奴が言う台詞?」とか言う訳にもいかないし、かといってシカトもなぁ…。とりあえず、
「はぁ、よろしく…。」
とだけ言いました…。



昼休み―――
「ねぇ詩?彼どう思う??」屋上にて沙夜子とランチタイム♪♪
あたしは一口食べたパンを手に持つ。
「彼って!?」
「決まってるじゃない、桐島君の事。」
あ〜その話しかぁ…。
「別にあたしは何とも思わないけど…。」
「だよね、沙夜子も。確かにかっこいいとは思うけど、なんかピンとこなくて。」
わかる、わかるよ沙夜子!「でももう桐島君のファンクラブ出来たらしいよ。」
ぶッッ!!!!!
「ファンクラブぅ!?何それ〜!」
危うくジュース吐く所だったよ…。
「D組の子達で作ったんだって。確かに桐島君かっこいいと思うしね。だって長身でさらさらの茶髪にあの顔でしょ。それにうちの編入試験難しいのに編入してきたって事はかなり頭もいいって事だしさぁ。」
沙夜子がこれまた情報を淡々と言う。
そんなに凄い奴なの、あの人!?
「まぁあたしには遠い世界の人だね。」
「そ〜だねぇ。―あ。」
「あ!?」
沙夜子があたしの後ろに向かって呟いた。
あたしも後ろを向く。
「……げッッ!」

あたしの後ろに奴、桐島銀河がいた。
「あっ!安達サン。やっと見つけた!」
桐島銀河はスタスタとやって来る。
「な、なんでしょうかぁ…。」
ちょっとどもったよあたし!!!
「あのさ、資料室に教科書取りに行かないといけないんだけど場所わからなくて…案内してくれないかな?」
ファンクラブの子がこの顔を見たら鼻血出るんじゃないかってくらいの笑顔で言われても……。
「なんであたし…!?他にもいっぱい人はいるんですけど…。」
ちょっと嫌味っぽく言った。
「安達サンは隣の席だし、なんか喋りやすそうだから…だめかな?」
う…誰この人!本当にあの桐島銀河!?キャラ違い過ぎ!!
それとも本当に別人!?
「別にいいですけど…。」
「ありがと!じゃ早速だけど今からいいかな?」
今からぁ!?沙夜子とのランチタイムが!!
ちらりと沙夜子を見たら、「あたしはいいから行っといでよ〜。」
って笑顔だよ…。
しょうがない、行ってやるかぁ。
「じゃぁ、いきますか…。」
心の中でちょびっと沙夜子を恨みました…。ごめん、沙夜子!!


うちの学校の資料室は別棟にあるからあんまり普段は来ないんだよね。
資料室に行くまでの教室を案内してたら桐島銀河があたしに質問をしてきた。
「…安達サンって昔からこの町に住んでるの?」
「そうだけど…。」
「へぇ…――。」
その時あたしはなんか引っ掛かったけど深くは考えなかった。
でもこのすぐ後この質問がきっかけでああなるとはこの時思いもよらなかったんだ。


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