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また君に会いたい
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君と共に逝きたい-1

「……手島さん、手島さん。起きて下さい」


ユッサユッサと乱暴に揺り動かされ、俺はうっすら目を開けた。


目の前には古臭い紺色のダブルのスーツを身にまとった冴えない中年のおっさんがいた。


「ああ、よかった。やっと気がついた」


おっさんは中指で眼鏡のブリッジをクッとあげると、バインダーに挟まれた紙に何かを書き込んでいた。


……ここはどこだ?
コイツは誰だ?


むっくり体を起こして辺りをキョロキョロ見回してみると、見覚えのある光景が広がっていた。


地元でも自殺の名所として有名なI岬。


それでも八月は、そばにある海水浴場は観光客で賑わい、この断崖絶壁からそこを見下ろせば、海水浴をしにきた人がごった返している人気スポットだった。


しかし俺が立っているのは、二時間サスペンスのラストを飾るのに相応しいような断崖絶壁で、ここは人っ子一人いない、寂しい場所だった。


「よし、申請書完成……と!」


おっさんは呑気な声でペンを胸ポケットに刺してから俺に向かって口を開いた。


徐々に記憶が蘇っていく。


そうだ、俺は……。


「はい、手島茂(てしましげる)さん。
25歳、男性ね。

本日8月9日午後4時18分めでたく死亡いたしました」






――この崖から飛び降りたんだった。




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