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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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四つ葉のクローバー-3

怖じ気づいた自分を正当化するわけじゃない。


でも、こんだけ化粧が崩れてしまったまま会いに行くのは女としてどうなのって感じだし、そもそも電話だって忘れてるから陽介に連絡はとれないし。


どのみち今日はこのまま家に帰らなきゃいけなかったのだ。


何をするにもうまくいかない日なんてのもある。今日がたまたまその日だっただけなんだ。


そう、誕生日っていう自分にとって特別な日だとしても。


「……はあ」


誕生日だと意識した途端に漏れるため息。


結局一人で過ごすことになった、寂しい誕生日。


チキショー、こうなったら思いっきり食べてさっさと寝てやる。


帰りにコンビニでデザートやらお弁当を買って行こうと決めたあたしは、ドアにもたれかかって現実からシャットアウトするため、静かに目を閉じた。









夜風がやけに心地よい。


カツカツ鳴るサンダル。ガサガサ音をたてるレジ袋。


閑静な住宅街の中にある、小さなアパートに向かってあたしは歩く。


結局、いつもと変わらない一日か。


レジ袋の中身をチラリと見ては、苦笑いを一つ。


コンビニで買った親子丼と、デザート。


いつもと違うのは、デザートが290円とちょっとお高いことと、そんなお高い類いのものを3つも4つも買い込んでいたことだ。


誕生日なんだし、このくらい欲張ってもバチはあたんないよね。


そしてあたしのバッグの中に入ってた、レンタルしてきたばかりのDVDに目を移した。


コンビニで御飯とデザートを買って、めったに行かないレンタル屋で映画を借りてきて。


こんな誕生日も悪くない。


何度も自分に言い聞かせて、やっと暗示がかかったあたしは、妙にすっきりした気持ちになった。


ちょっと豪華なデザートを食べながら、思いっきり笑える映画を見て、今日は終わろう。


陽介に会いたい気持ちはあるけれど、きっと今日は会いに行く日ではないんだ。


だったら美味しいもの食べて、映画を観て笑って、幸せな気持ちで眠りたい。


そう思いながら、あたしはカンカンとアパートの階段を昇りだした。







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