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『桜咲く頃〜今でも…〜』
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『桜咲く頃〜今でも…〜』-1

「ただいま」

俺、今井達哉は三年振りに地元に帰ってきた。
「なんでもっと早く連絡しないの!あんたはいっつも……」
母さんの小言が早速始まったよ…長いからなあ。付き合ってらんないし逃げよ…「ちょっと出掛けるよ」
「あ…ちょっと、荷物とか片付けどうするのよ?」
「帰ってからやるから!」「ちょっと達哉、待ち…」…ふぅ。帰って早々小言なんか聞いてらんないよ。
さて、何処に行こうか…
 宛ても無く懐かしい町並みを眺めながらぶらつく。 背伸びをする。やわらかな陽射しと少し埃っぽい風に春の到来を感じながら…
賑やかな駅前の交差点。青信号を待ちながら向こう側に視線を向ける
(洋子…)
三年振りに見た元彼女…変わらない…いや、少し綺麗になったな。誰かわからないけど話しに夢中で、向こうは俺に気付いてないみたいだ。
 声を掛けたら驚くかな?それとも怒るかな?
 子供の頃のいたずらをする時みたいに少し浮ついた気持ちで周りの雑踏に紛れて歩きだす。
前から近付いてくる足音「よ…」
言葉が詰まった。隣の男を見ながら楽しそうに喋る、少し鼻にかかる声。
思わず俯き視線を自分の足元にむけて早足になっていた…
 (三年…だもんな…)
雑踏の中に消えていく足音と聞き覚えのある声を背に歩き続ける。
そして昔よく来た喫茶店の扉を開ける。
ーカラン、コロ〜ンー
「いらっしゃいませ…って、達哉か?」
中年の少し細身のマスターが驚いた顔をした
「お久しぶりです。相変わらずヒマそうですね」
「一言余計だよ!いつ帰ってたんだ?」
少し苦笑しながら、まだ注文してないのにカップにコーヒーを注ぐと俺の前に差し出す
「今朝帰ってきました」 「洋子ちゃんに会ったんだろ?」
「声は掛けてないから向こうは気付いてないでしょうけどね」
言いながら出されたコーヒーに口をつける
さっきまで洋子がこの喫茶店に来ていたらしい。
煙草に火をつけ一服つけてから
「黙って行ったオマエが悪いんだよ。」
言いながらマスターは俺に煙草を差し出す。一本もらいフーッと大きく煙を吐き出しコーヒーを飲む。
 コーヒーがやけにニガかった…

END


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