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姉の匂い
【姉弟相姦 官能小説】

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第四章-8

「あんっ、翔太ぁ、イク、イっちゃうぅ」
「姉ちゃん、俺も……」
 ほぼ同時に絶頂を迎えて翔太が激しく呼吸をしていると
「翔太、久しぶりに会えて嬉しかった、またいつか会えたらいいね、……バイバイ」
 そう言って結衣はゆっくりと目を閉じた。
「姉ちゃん、まだ、まだ行かないでよ、もう少しだけ……」
 翔太はそう言って体を揺すったが再び結衣が返事をする事は無かった。



「ううん……あれっ?私気を失ってた?んっ?翔太君、何で泣いてるの?」
 目を覚ました由紀の言葉に翔太は自分が泣いている事に初めて気付き
「えっ、いやっ、由紀ちゃんが意識無いから心配して……」
と慌ててごまかした。
 すると頭の中に直接
「翔太、由紀ちゃんを大切にするのよ、約束だからね」
と聞こえてきた。



 それから数ヶ月経ったが結局結衣が姿を現す事は一度も無かった。



 ある夜の事
(姉ちゃん、今でも俺のそばにいるのかな?また会えたらって言ってたから、また会えるよね)
 翔太は机の中に大事にしまっておいた結衣の骨が入った瓶を取り出し、それを握り締めながらそんな事を考えていた。
 その時、携帯に着信があった。
 画面を見ると由紀からだったので
「もしもし、由紀ちゃ……」
 そう言いかけた時、電話からは知らない女性の声が聞こえてきた。
「あの、翔太さんですか?由紀が、由紀が…さっき事故にあって……今〇〇病院に運ばれて、今手術中なんですけど危険な状態で、由紀、意識が無かったのにずっと翔太君翔太君って言ってたみたいで、由紀の携帯にあなたの名前があったから……」
 突然の由紀の母からの電話に翔太は衝撃を受け瓶を机の上に置いたまま急いで由紀がいる病院に向かった。
(嘘だ、危険な状態だなんて、これじゃ姉ちゃんと一緒……いやっ、大丈夫だ、絶対大丈夫)
 病院に着くと由紀の両親がすでにいて
「君が翔太君か、由紀が……外傷はたいした事はないんだが頭を強く打ったみたいで、手術をしているが……」
 由紀の父の言葉に翔太は頭の中が真っ白になり何も考えられなくなってしまった。
「おっ、おい、翔太君……」
 突然目の前が真っ暗になり翔太は手術室の前で意識を失ってしまった。



「あれ?ここは……そうだ!」
 記憶が戻りベッドから飛び起きるとなんと枕元に由紀が立っていた。
「由紀ちゃん、無事だったんだ!」
 しかし
「翔太………」
 その口から発せられた声は結衣のものだった。
「姉ちゃん?じゃあ由紀ちゃんは……」
 結衣は悲しそうな顔で
「まだ手術中よ、でも多分………なんとなく解るの、由紀ちゃんの魂がどんどん弱く、小さくなっていくのが……」
「そんな、嫌だよ、姉ちゃんを失って、そのうえ由紀ちゃんまでいなくなるなんて、……俺もう生きていけないよ」
「翔太、落ち着いて」
「何で、落ち着ける訳無いよ、どうしよう、ねぇ、姉ちゃん、どうにかならないの?」
「翔太、いいから私の話を聞きなさい、あのね、今から私が由紀ちゃんの所に行ってくる、そして由紀ちゃんの魂に呼び掛けてみるから、頑張れって」
「そんな事出来るの?」
「わからないけど今の私にはそれしか出来ない、でもそれが出来るのは私だけだから」
「わかった、お願い、由紀ちゃんを助けて」
「うん、じゃあね、翔太」
 すると結衣の体が霧のようになってそのまま風に運ばれるようにして部屋から出て行った。
(姉ちゃん、由紀ちゃんを………)
 祈るような気持ちでそう思っているとまた目の前が真っ暗になり再び意識を失った。




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