崩壊、エモーション。-1
私は残酷な人間ですか？
今日も私の席は無い。
いつも隣の空き教室に移動させられている。
いつも、だ。
誰がやってるか、なんて分かってる。
「あ、ヤマザキさんおはよ〜！」
わざとらしいクラスメイト。
「アキ、ヤマザキさんじゃなくてヤマサキさんだってばぁ。ねっ、ヤマサキさん？」
煩い。
皆の前では仲良さそうにしやがって。
私の席移動させてんのもアンタだろ？
長瀬亜紀。
「山崎サン、放課後、科学室まで来てね」
彼女は低い声で私にそう言い、嘲笑して去っていった。
ムカつく。
なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの。
私がアンタ等に何をした？
みんな死ね。
死んでしまえ。
ねぇ、楽しい？
私をいじめる事。
そうやって今みたく、科学室に誘い込んで。
煙草を私の腕に押し付けて？
ありきたりなんだよ。
もっと面白い事やれば？
ホントに、私が死にたいと思う事。
ちょっとはやってみろよ。
尋常すぎる。
死にたいと思わせてくれたら、期待通り私も死んでやる。
科学室へ向かう廊下を歩く。
薄暗い教室。
10ｍ先はもう真っ暗。
私の人生と同じかも、なんて思ったりする。
私は逃げない。
耐えるんだ。
「ムカつくんだよ、山崎」
「ねぇ、昨日は２本頑張ったよね？だったら今日はぁ…３本いってみよー！」
勝手にしろ。
私の体はもう痛みなんかとっくに感じないんだから。
20本やっちゃえば？
私の体がボロボロになるまで。
「…ゲホッ…ねぇ、ヤバイよ…匂い外まで漏れてるって」
「だってコイツ、全然痛がんなくて…っ」
煙草は丁度６本目に火を着けようとしたところだ。
「山崎さん、おかしいんだよ…ねぇ、もう行こうよ亜紀」
おかしくしたのはアンタ等だよ？