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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲=頼りない?-3

「義理だよ、義理」
「あ、当たり前だ!憲には、あ、アタシがいるんだからな!」
「それでは、そんな白雪嬢のチョコはいつ頂けるのですか?」
ちょっとおどけて、妙に丁寧な口調でしゃべってみた。
「……放課後、桜の下だ」
それだけ言って、白雪は教室から出ていった。恐らく、教室の隅々から送られてくる視線に耐えかねたんだろう。
え、俺?
俺は、もう慣れた。恥ずかしがるからみんなが面白がるんだ。
白雪も結構慣れたと思うが、度々耐えかねる時がある。
まだまだ修行が足りんな、白雪。
まぁ何にせよ、重要なのは放課後だ。
その時に、ちゃんと謝ろう。
誕生日プレゼント、用意できなかった事を………。



滞りなくホームルームも終わり、放課後がやって来た。
ちょうど良いのか悪いのか、掃除当番だった俺は数人のクラスメイトと共に掃除を終え、白雪の待つ桜の木に向かおうとした。
が、下駄箱である人物に捕まった。
その人物とは、この物語のMr.不幸こと高坂 独……。
「ど、どうした独……この世の終わりでも見たのか?」
「見た……見てしまった……見たくなかったのに……」
うわぁ……重症だ。
「なにがだ?一体何を見たんだ?」
「し、白木さんが……」
あ、なるほどね……。
「孝之にチョコ……渡して」
「独、言わなくてもわかる。辛かったな……」
可哀想に……。やはり失恋ってしたくないよな。
俺も中学の時に意を決して告白したことがあった。
が、見事にフラれた。
正直、立ち直るのには結構時間がかかったなぁ。
「ま、まぁ、いつか良いことあるって。白木さんが孝之と付き合ってる、って事はお前には別にふさわしい人がいるってことなんだろ」
こいつは馬鹿だが親友だ。慰めてやるのも、友人としての努めというやつだろう。
だが、告白する前に失恋して卑屈モードに突入した独には俺の慰めなどは焼け石に水だった。
「……ちくしょう。いつもこうだ」
「ひ、独……?」
「最近いつもこうだ、ちくしょうめぇ!!!事あるごとに矢城に殴られたり蹴られたりするし、男には迫られし、挙げ句果てにはそいつに白木さん取られるし!!何で、俺はこういつも損な役回りなんだ!!」
「ひ、独…落ち着け!」
が、今までの鬱憤を全て出す独の勢いは噴火した火山の如く止まる気配は、ない。
「だいたい、ヘタレはいつもいつも憲や矢城のいちゃつき具合ばっか書きやがって!!何時になったら俺メインの話を書きやがるんだぁ!?」
キレた独はヘタレに怒りの矛先を向けた。
まぁ、その発言は最もな意見だな。
心の中で頷くと、ギンッと独が俺を見た。
「な、なんだ?」
目が据わってる……。
「こうなったら、いつも優遇されてるお前も不幸にしてやる。道連れだ!」
い、いかん。怒りの矛先がヘタレから俺と白雪に変わった。
「み、道連れぇ!?」
「そうだ……。このあと、どうせお前はいつもの桜の木の下で矢城からチョコ貰うんだろ?」
「た、多分な」
「……邪魔してやる」
へ……?
「お前についてって、邪魔してやる!」
「……………」
とことん卑屈になっていくな。
「じ、邪魔って……」
「ククク……矢城がお前にチョコを渡す寸前で俺が奪ってやる」
「ひ、独?」
「それで、お前ら二人の前で全部食べてやる!」
だ、駄目だ。怒りの余りに正常な判断が出来なくなってる。そんな事したら、冗談抜きで白雪に滅殺されるぞ。


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