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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲=頼りない?-1

こ、困った……。
どうしよう……。
も、もうすぐだってのに、何にも用意できてねぇ!!


『憲=頼りない?』


「う〜む……」
その日、俺は一人で帰りながら悩んでいた。
明日は14日……。
マズイ……本当に何も用意できてないぞ……。
「お〜い、憲!」
「ん?何だ、独か」
「何だ、とは何だ」
少し不機嫌な顔をして、独がにらみつけてきた。
が、今はこいつにかまってる時間はコンマ一秒もない。
「独、悪いが俺は今、重大な危機に直面している。用が無いなら……」
「かぁ〜!!なぁにが重大な危機だ。どうせ矢城関係だろうが。大体、お前らの仲に危機なんざまたお前が記憶喪失にでもならない限り来るわきゃないだろ。いや、もしかしたら記憶喪失ぐらいじゃもう駄目かもな」
「なんとでも言え、俺は忙しい」
なおも話を続けようとする独を置き去り、俺は歩き出した。
「なんなんだ、あいつ。どうせ明日のバレンタインじゃ、矢城のチョコ貰えるくせに、もしかしたら貰えないかもしれないって悩んでんのか?」
独のそんな発言は俺の耳には届かなかった。しかしどうしよう……明日は白雪の……。
う〜む、髪飾りはもう贈ったし、何が良いんだろう……。
一人頭を抱えながら、歩いていると、後ろから肩を叩かれた。
「ん?」
「やっほ、何をそんなに渋い顔してるのよ」
白木さんだった。
「いやぁ、ほら明日は……」
「あぁ、バレンタインのチョコの心配ね。大丈夫、白雪、ここ一週間張り切ってるから」
む、あぁそういや明日はバレンタインか。
忘れてた。
しかし、世の中の恋する乙女達には悪いが、そんなイベントは正直どうでも良い。
だいたい、今の今までその単語は忘却の彼方に行っていたのだ。俺の中ではさほど重大なイベントではないのが伺える。
まぁ、もし俺が白雪とは違う女の子と付き合っていたら、昨日一昨日一週間前ぐらいからそわそわしっぱなしだったろうが。
いや、別に白雪以外の女の子と付き合ってみたいと言う意味じゃないぞ。
俺には白雪しかいない。白雪以外の女の子には悪いが異性として興味が持てないのだ。まぁ、可愛いとかは素直に思っちゃったりするが……。
そもそもバレンタインでチョコを男に贈るなんて習慣、日本だけだぞ。
ちなみにほとんどの人は、これはお菓子会社の陰謀と思っているが、最初にバレンタインにチョコみたいな事を言い出したの新宿伊勢丹らしい……とヘタレが言っていた(神戸のMorozoffという説もあり)。
ローマの司祭だった聖バレンタインは東洋で自分の記念日がこんな風になってる事を、天国でどう思ってる事だろう。
まぁ、告白するには絶好のイベントではあるよな。
そこは人それぞれ、とりあえず悪い日では無い。
白雪も一週間前から準備するなんて、気合い入ってるなぁ。ちょっと……いやいや、かなり楽しみだ。
どおりで最近、白雪は俺と帰らずに白木さんや八木と帰ってたわけだ。
食材の買い物とか、作り方特集の載った雑誌を読みあさってたんだろう。
ちょっと安心。嫌われたかと、少しだけ思ってたりなかったり。
そんなを俺をしり目に白木さんは拳を握って、力強く言った。
「アタシも最近、白雪達と一緒に作ってるのよ。……愛する孝之のために!!」
うわ、熱っ!!
クリスマスから付き合い出した孝之と白木さんだが……はっきり言ってかなり熱いカップルになった。なってしまった。


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