生徒会へようこそ【ＭＩＳＳＩＯＮ'５'生徒会を再建せよ！】-18
●優＆寿絵瑠●
「あのね、何かすっごい複雑なんだよ。だから、ちょっと順を追っていくね」
「ああ。まず最初はどこだ？」
「うん。始まりは早羽さんが渡邊先生たちに捕まったとき。本当ならそれで終わりだったはずなのに、誰かが噂を広めた。尾ひれがどんどん着いてった噂は、援助交際って形で先輩たちの耳に届いた訳だ」
最初の勘違いはここ。誰か知らんが援助交際なんて話にならなきゃ、早羽さんは普通に学校に来れたのに。
「それは春休み前の出来事だったよな。そして春休み中に一斉に広がった…」
「うん。その時、きっとオッさんは待ってたんだ。早羽さんから連絡が来るのを」
「待ってた？どんな連絡だ。なぜ分かる？」
「…うーん。オッさんはこの噂がまだ、偽物だって分かってないでしょ？だから、早羽さんから直接聞きたかったんじゃないかな」
「援助交際をしたと早羽さんから直接報告されたかったってことか？」
「ううん、違うよ。たぶん、その理由とか」
「援助交際をするに至った理由…」
「さすがにアホのオッさんだって援助交際がどういうものか知ってるはずだよ。だから、きっと何か大きな理由があるって思ったんだ。援交をしなければならないほどの理由が」
何か考えていた宝さんが「うーむ」と唸る。
「だが、例えば援助交際をするとしたら大体の理由はお金だろう？冷たい言い方をするが、それをオッさんに相談してもどうにかすることはできない。聞きたいと思うのは、独りよがりではないか？」
「そうだね、僕もそう思う。だけど、オッさんが本当に聞きたかったのは経緯じゃない。『結果』の方だったんじゃないかな？」