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a four-leaf clover
【女性向け 官能小説】

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カノジョの定義-7

「陽介は、カノジョ一筋で満足できるような男じゃないのよ。アイツはカノジョがいても、絶対あたしのとこに帰ってきてた。あたしのとこが一番居心地がいいんだって。そりゃそうよね、あたしと陽介は似た者同士だから」


目を細めてあたしを見るくるみさん。その眼差しには優越感がたっぷりこもってた。


テーブルの下で握り締めた手が震え始める。


沸き上がってくるのは、彼女への怒りよりも陽介がくるみさんの元に行ってしまう不安だった。


カノジョのあたしよりも陽介を理解していて、一般的にはだらしないと責め立てられても仕方ないような関係を咎めることをしないくるみさん。


以前、陽介はくるみさんのことを「温かく包んでくれるオトモダチ」なんて言っていたけど、あれは冗談なんかじゃなくて本音だったのかもしれない。


……最終的に帰るところがくるみさんなら、まるで彼女の方が本命みたいじゃない。


「恵ちゃんって、見るからに真面目そうですごくいい娘だからあえて言わせてもらうけど」


くるみさんがあたしの瞳を射抜くようにまっすぐ見つめてきたので、反射的に生唾をゴクリと飲み込む。


そして、一瞬の間を置いてから彼女は、


「陽介はやめといた方がいいよ。恵ちゃんには似合わない」


と、あたしに言った。


「な、なん……で……」


手のひらにポツリと落ちた熱い雫。


怒りより先に出てきた涙は、あたしが元より持っていた不安を形に変えた。


陽介は、どこから見てもため息の出るほどイイ男で、かたやあたしは真面目だけが取り柄の並みの女。


一緒にいるだけで幸せ過ぎて気にしなかったけれど、「似合わない」なんてあちこちから陰口を叩かれたことだって何度もあった。


その時は悲しかったけど、陽介がしっかりかばってくれたから平気でいられた。


でも、くるみさんに面と向かって言われたら、勝手に涙が込み上げてくるだけ。


陽介のことをあたしよりも理解しているくるみさんに、そう言われたら――。


長い間、陽介の支えになっていたくるみさんの言葉は、それほどあたしの心をざっくりえぐった。





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