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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第二話-7

誰だってそんなの見ればわかる。
「……あげる」
「何も紅葉が出す必要はないんだぞ?」
「でも、私だって同好会のメンバー……」
「……わかったよ」
紅葉から100円玉を受け取り、須藤のほうへ放り投げた。
「ありがとな、紅葉。パソコンのことといい、俺お前がいないとダメだわ」
ぽんぽん、と紅葉の頭を軽く叩く。
「…………そう」
「で」
俺は財布を閉まってから、須藤の対面にあるソファに座る。
「いい情報ってのは?」
「おぉ、そうだったそうだった」
須藤は大事そうに100円玉を財布に入れてから、こう切り出した。
「日向ひなたは、苛められていたんだよなぁ」
苛められていたって?とてもそんな風には見えなかったけど。
「1年前の、あぁたしか……6月だったかぁ?他の学校から編入してきてなぁ」
日向さんは編入生だったのか。
「イジメの原因までは知らねぇがなぁ、はは」
「イジメか……」
日向さんのヘソがなくなったのは1年前の夏休み前だと言っていた。つまり編入してきてすぐってことになる。そして同時期にイジメ。
「イジメの主犯は誰なんです?」
もしかしたらそいつが、日向さんのヘソがなくなるように願った人物かもしれない。でもヘソをなくすって、かなりマニアックだよな。
「主犯なぁ……まぁいいかぁ……天之川桔梗(あまのがわ・ききょう)」
「あまの……え?」
「お前らも知ってのとおり、今は『鬼の風紀委員長』を務めてるやつだ」
学園の生徒であるなら本校生、付属生の誰もがその名を知っている。
校則に厳しく、いつも怒鳴っている嫌われもの。けれど強面なので、誰も何も言えない。
ちなみにここ探偵同好会も目をつけられているらしいんだけど、校則は守っているはず。
「…………」
後ろを振り返る。いつものようにインカムを装着済みの紅葉の姿がある。
「これか……?」
イヤホンを持ってくることは許されているが、学園内でイヤホン等を耳につけることは禁止されている。恐らくインカムもダメだろうな。
持ってきてもいいのに使用はダメって、それじゃあ何のために持ってくるんだよって話になるわけだが。


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