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ナクシモノ〜シスター&ブラザーコンプレックス〜
【学園物 恋愛小説】

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第二話-5

「え?俺ももう一度見ておこうと思ったんだけど……」
「男子に何度も見られるのは嫌なの!」
そんなもんなのか。一度見せるも二度見せるも変わらんと思うけどな。
「ほら、さっさとつむって!」
「へいへい」
仕方なしに目をつむる。
「小倉さん、こっち来て」
日向さんにそう言われ、紅葉がPCの前から移動するような足音が鳴る。
「じゃ、じゃあ見せるね……女子でも結構恥ずかしいなぁ……」
「……たしかに、ない」
「でしょ?」
今目を開けたら完全に変態だよな。
「……ありがとう、ございます」
「いいよいいよ。探偵くん、もうオッケーだよ」
日向さんに言われてようやく目を開ける。少し目を閉じていただけなのに、窓から差し込む太陽光が眩しく感じた。
「日向さん、早速だけど質問してもいいかな」
「どうぞ〜」
「ヘソがなくなったのはいつ頃?前に『今さら』って言ってたよね。何年も前とか?」
「1年前の夏休み前からだよ。新しい水着が欲しくて、店で試着してたら急になくなっちゃったの」
「急に……」
琴梨さんと同じだ。琴梨さんはたしか、部屋にいたら急に何も見えなくなったと言っていた。
「もしかして、なくなる瞬間を見た……?」
「あ、ううん。見てはいないよ。うーんと、試着し始めたときはたしかにあったんだけど、試着してる途中でなくなってることに気付いたの」
「なるほど……」
なくなった原因はなんだ?超能力や魔法だとして、今度は誰が得をする?
「ヘソがなくなったことで、メリットやデメリットはあった?」
「メリット?メリット……」
上を向いて考えていた日向さんの瞳が、一瞬だけ色を失った……ような気がした。
「メリットはないけど、デメリットならあるよ」
「どんな?」
「人前でお腹を見せられなくなったこと、かな。だから去年も今年も海に行けてないの……はぁぁぁ」
深いため息をつく日向さん。
「ヘソがなくなって、得をする人に心当たりはない?」
「え〜?ないよそんなの〜」
「だよな……」
ヘソがなくなったぐらいで誰かが得をするなんて思えないもんな。
「ありがとう。とりあえず訊きたいことはそれぐらいかな」
「役に立てたんならいいんだけど……じゃ、そろそろ行くね」
「頑張ってくれよ、マネージャー」
日向さんは親指を立て「任せとけ!」と言い、退室した。


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