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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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「カリーに相手してもらうワケにゃいかねぇし、ほっといたら街に降りて女漁るからなぁ……ぶっちゃけ穴がありゃいいワケだし……俺は酷い扱いに慣れてっしな」

 そこまで言ったゼインはいきなり吹き出して笑う。

「くくっ……無茶苦茶嫌がってた」

「そりゃ……嫌でしょ?」

 男に興味もなければ男と寝た事も無いだろうに。

「のくせして上手かったなぁ……才能あるかもな……」

 そんな才能いらない、とツッコまれそうだな……と思いつつ、男2人の絡みを見たかったなあとも思うポロ。

「お前もいつか笑うようになるかな?」

「え?」

 暫く笑っていたゼインの突然の言葉に、ポロは驚いて顔を上げた。

「ポロの笑う顔見てぇなぁって思うけど……難しいな」

 以前からポロの笑顔が見たいと言っていた……別に面白くないワケじゃないのだが、顔が笑顔を形作らないのはどうしようもない。

「ごめん……なさい」

 普段から楽しい話をしてくれているゼインに申し訳なくなり、ポロは小さくなって謝る。

「別に謝る事じゃねぇけど……好きな奴でも出来れば自然と笑えるようになるかなぁ〜」

 ゼインの口から出た言葉を聞いたポロは、いきなりボッと顔を赤くする。

「え?!居るのか?!誰だよ?!」

 ポロの分かり易い反応に、ゼインは彼女の肩を掴んで問いかけた。

「好きって言うか……」

「まさか、スランか?!」

「ち、違う」

 ポロは赤い顔をぶんぶん横に振って否定する。

「え……?じゃ……」

 ポロが好きになる程、一緒に過ごした男など後1人しか居ない。

「だからっ!好きってワケじゃないのっ!ただ、落ち着くって言うか……その……触られたりするのが平気なの……嬉しいの……それだけなの」

 そこまで言ったポロは、手に持っていたゼインの服で茹で蛸のような顔を隠した。

「……ケイ……?」

 ゼインの言葉にポロは耳まで赤くする。

「おまっ……なぁんでそれを早く言わねぇんだよ!?」

 人との触れ合いに馴れてきたとはいえ、触られて嬉しいと思えるなんて好きに決まってる。

「……だって……私、奴隷だし……人間じゃないかもしれないし……」

「うっ」

 同じような事でカリーにアタック出来なかったゼインは、ポロの気持ちが分かり過ぎて言葉に詰まった。


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