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ようこそ花咲女子寮へ
【ラブコメ 官能小説】

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私にも気持ちいいこと教えて下さい-4

意地悪な目で僕の顔を覗き込む美咲さん。
もちろんこれはカウンセリングの予約みたいなものだが、
どうにもその言い方が意味深でドギマギしてしまう。

「ち、ちゃんと約束守れるんならっ………… ですよ?」
「ホントか? ならさ、『浮気すんなよ?』っていい声で言ってよ?」
「は、はぁ? 何で僕がそんな事っ…………」
「いいじゃんいいじゃん! その方が私の抑止に繋がるんだからさぁ」

まったくこの人はどこまで僕をいじれば気が済むのだろう。
けれどその一言で美咲さんの抑止に繋がるのなら、
それもまたカウンセラーとしてやぶさかでは無いわけで…………

「まったくもうっ…………」
「ふふん…… 早く早く♪」

小躍りしながら僕の言葉を待ちわびる美咲さん。
僕は仕方無くそんな美咲さんの肩を握ると、耳元で囁くようにこう呟いた。

「美咲? 浮気なんてしないで早く帰って来いよな?」
「はぅ…………」

どうした事か、あんなにはしゃいでいた美咲さんが突然、
うつむいて黙り込んではその場を動こうとしない。

(あ、あれ? いきなり呼び捨てにしたのが駄目だったのかな?)

僕は少し慌てながら、美咲さんの顔を覗き込もうとするも、
まるでこっちを見るなと言わんばかりに、両手で顔を隠されてしまった。

「あの………… み、美咲さん?」
「た、確かにこれは………… 随分な抑止力になるわね…………」

そう言って僕に背を向けると、いそいそとヒールを履きだす美咲さん。
背筋を伸ばし咳払いをしながら赤い顔で僕を見つめたかと思うと、
少しだけ恐い顔で僕を睨みながら手招きしてきた。

「は、はい………… な、何でしょう?」
「目を閉じなさい」
「えっ?」
「いいから早くっ!」

僕は何が何だかわからぬままに、言われた通り目を閉じると、
微かに香るコロンの匂いと共に、唇に何やら柔らかな感触を憶えた。

「み、美咲さん???」
「ふふ、じゃぁ言ってくるわね?」
「あ、はいっ その…… い、行ってらっしゃい!」

小さなバックを揺らしながら、鼻歌交じりのご機嫌な様子で出掛ける美咲さん。
僕は指で唇をなぞりながら、しばらく黙ってその姿を見送っていた。


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