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生徒会!!!
【学園物 官能小説】

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初デートは秋葉原-5

「銀杏先輩は近衛みたいなタイプ、どうです?好みだったりします?」
「ぜ、全然好みじゃないよ!」
「だと思いました。じゃあどんな男が好きですか?例えば身近で一番好みに近い男とかっています?」
これで俺のことだと言うか否か。
「近いのは蓮くん、かなぁ?」
先輩は少々照れた様子で、俺の弟の名前を口にした。
「初々しくて、頼りないところがね、かわいいなぁって」
「そう、ですか……」
もしかして先輩が俺のことを好きっていうのは、杏ちゃんの勘違いなんじゃないか?先輩が俺に親しげにしてくれるのは、蓮に近付きたいからなんじゃないか?
だって考えてもみろ。今まで一度もモテたこともない俺が、先輩みたいな美少女と付き合えるわけないじゃないか。
「だ、大丈夫?顔色悪いけど、具合悪いの?」
「はは……」
俺は乾いた笑いをもらす。もう笑うしかない。
「いえ、大丈夫ですよ、ホント……」
「ホントに?ホントにだいじょ、って涙出てるよ!?もしかして私、傷付けるようなこと言っちゃった?」
「な、なんでもないです」
先輩は何も悪くない。俺が自惚れていた。ただそれだけなんだから……。
「よ、用事思い出したんで、先に帰りますね!」
俺は溢れる涙を服の袖で拭き、逃げるようにして立ち去った。


   ***


「ってことがあったんだけど、私どうしたらいいのかな……翔太くん傷付けるようなこと、言ったつもりなかったのに……」
大神先輩との初デートから帰ってきたお姉ちゃんは、帰ってくるなり私に事の経緯を話しながら泣いてしまっていた。
「…………」
馬鹿だ。お姉ちゃんもお姉ちゃんだけど、先輩も先輩で大馬鹿野郎だ。『好みのタイプ』はあくまでタイプであって、『実際好きになった人』が好みのタイプと一致するとは限らない。と、楓がそう言っていた。
「しょうがないなー」
私は未だ泣き止まないお姉ちゃんを宥めながら、
「こうなったら作戦Bしかないよ」
「さ、さぐぜんびー?」
「はいはい。とりあえず鼻水かんで」
こうなったら、私が一肌脱ぐしかない。
「……どっちがお姉ちゃんなんだか」
「ご、ごめんね」


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