投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

はじめての、えっち。
【幼馴染 官能小説】

はじめての、えっち。の最初へ はじめての、えっち。 6 はじめての、えっち。 8 はじめての、えっち。の最後へ

はじめての、えっち。-7

 手を繋いで、暗い夜道を歩く。

 握られた手が温かくて、また、泣きそうになってしまう。

 さっきから浩紀は、無言のまま。

 きっと、怒ってる……。

当たり前だよね……。

「なあ、チイ」

「えっ……?」

 次の角を曲がれば千春の家に着く、というところで、浩紀が急に口を開いた。

 チラチラと瞬く街灯の下。

 足を止め、少し体を屈めて千春と目線を合わせてくる。

「夕方は、ごめんな。びっくりしたんだろ? いきなり、キスとか言われても、そりゃ困るよな」

 照れ笑いをしながら頭を掻く、いつものしぐさ。

 大きな黒目には、千春の戸惑った表情が映っていた。

「ううん……そんな」

「俺、女の子と、そういう……キスとか、したことなくてさ。チイのこと、すげえ好きだって思って、もうすぐ離れなくちゃいけないから、その、焦ってたっていうか」

「浩紀……」

「いや、でもさ、チイが嫌なこと、俺もしたくないし。なんか、悪いことしたなあって、それだけちゃんと謝りたかったんだ」

「わ、わたし、嫌なんかじゃないよ!」

 力が入ってしまったせいで、妙に大きな声が出てしまった。

 でも、ちゃんと伝えなくちゃ。

 だって、浩紀のことが好きだから。

「チイ……」

「そりゃ、びっくりしたし、恥ずかしかったけど……ひ、浩紀となら、キスもエッチも、全然嫌じゃないんだから!」

 言っちゃった。

 顔から火が出そう。

 浩紀の腕が、ふわりと千春を包み込んだ。

「あの、さ……」

「なに?」

「だめだったら、それでいいんだけど」

「だから、なに?」

「このまま、帰したくないって、言ったら、どうする?」

 心臓の激しい鼓動が、千春にも感じられた。

 ……わたしだって。

 ぎゅっ、と浩紀に抱きついて囁く。

「わたしも、帰りたくない」


はじめての、えっち。の最初へ はじめての、えっち。 6 はじめての、えっち。 8 はじめての、えっち。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前