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魔眼王子と飛竜の姫騎士
【ファンタジー 官能小説】

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28 弱者の抗い (性、残虐注意)-6

腕を縛るロープはそのままだが、両足の戒めは外され、ズボンと下着もついでに剥ぎ取られた。
 上半身にだけ破れた衣服とロープを巻きつかせたエリアスの口元へ、猛り立った肉棒が突きつけられる。

「歯を立てたらどうなるか、解ってるよな?」

 使い古された陳腐なセリフに、精一杯脅えた顔を作り頷いてみせた。
 口を開けたとたんに喉奥まで押し込まれた性器へ、舌を這わせ始める。

「ふ……ぅ……」

 不自由な体勢でも、技巧を駆使するのに何の問題もない。
 見る間に興奮を増した男が、エリアスの髪を乱暴に掴み、腰を動かす。
 もう一人は、大きく開かせた脚を閉じれないように、合間へ身体をねじ込み、指で秘所を嬲り始めた。

「チっ、濡れねーな」

 ぐりぐりと乱暴に乾いた指を突き立てられ、痛みに眉が寄る。口内を犯す男の欲望が爆ぜたのは、ほぼ同時だった。

「んっ!!ケホっ……」

 口から零れ落ちた白濁液が、石床へ滴り汚していく。

「お?もうイっちまったのか?」

「コイツが上手すぎるんだ。お前なんか一分も持たねーぞ」

 口内射精に息を荒げていた男は、からかう相棒へ言い返す。

「へぇ、お貴族さまの元愛人は伊達じゃねぇってか」

 笑いながら交代した男も、数分後にはエリアスの口内に果て、気まずそうな顔を浮かべる事になった。

「はぁ……はぁ……」

 口の中で粘つく二人目の精液を、石床に吐き出す。

「くそっ!もう一回……今度は飲めよ!」

 口元の汚れを拭う間もなく、まだ萎えないモノを再びつきこまれた・
 最初に果てた男も、早々とまた硬直したモノを秘所に押し当てる。男の方はエリアスの唾液で多少塗れているが、乾いたままの女陰は、なかなか異物を受け入れようとしない。
 それで男が手加減するわけもなく、強引にねじ込まれた。

「――――っ!!」

 口を犯されたまま、喉奥で痛みに叫ぶ。涙が滲み、全身がビクビク引きつった。
 奥までねじ込まれると、エリアスの身体を守るために、ほんのわずか愛液が分泌される。
 ミスカに抱かれる時とは、まるで違う。快楽などまるで感じない、苦痛だけの行為。
 けれどその分、冷静に冷徹になれる。

 胎内を突かれ、嫌悪の表情を浮べつつ、ときおり喘ぎ声を漏らして口でも男根をしゃぶるエリアスを、傭兵たちが嘲る。

「なんだよ、嫌がってたわりにゃ、随分熱心にご奉仕してくれるな」

 答える変わりに瞳を逸らし、切なげに腰をゆらめかせた。淫らな仕草に、エリアスを犯す性器たちがいっそう興奮を増す。
 静かにゆっくりと、エリアスは縛られた手首を後ろで動かす。
 乱暴に扱われるせいでロープが緩み、手を動かせる範囲が少しづつ広がっていく。惨めにもがく様を装い、床や身体を汚す精液に指先を伸ばす。

 魔法の使い方は、大きく分けて四種類。
 呪文の詠唱、魔方陣の作成、魔道杖の使用。威力の強い魔法には、これら三種のどれかが必要。
 何も無しでは、軽い物を動かしたり、小さな火花をあげるくらいがせいぜいだ。
 アレシュやミスカは、何も無しでも高度な魔法を多用できるが、魔眼を持つ彼らは特別。エリアスは違う。

(凡人……ですか……)

 狂った錬金術師青年の、よどんだ暗い嘆きを思い出す。
――彼の気持ちは、わからなくもない。

 後ろ手のまま、ベトつく粘液で床に魔法文字を書いていく。
 せっかく書いても、傭兵達に何度か踏み潰されたが、気づかれはしなかった。根気よく書き続け、慎重に慎重に、一度きりのチャンスを待つ。




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