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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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報告-1

残り少ない春休みもほとんど家から出ないで、考え事を頭から追いやるように勉強ばかりして過ごしていた。


たまに沙織が電話をくれたり遊びに来てくれたけど、こないだ土橋くんと言葉を交わしたことは言えずじまいで。


アイツが最後に私に向けた戸惑った顔だけが、ずっと頭から離れなかった。


私の気持ち、バレちゃったかな。


パーカーを返して自分の気持ちを断ち切るつもりが、実は未だ未練タラタラだったのを再確認してしまった。


……歩仁内くんの存在に甘えながら。


歩仁内くんからは遊ぼうと誘われたものの、結局何の連絡もないまま、春休み最後の今日も何事も無く過ぎようとしている。


でも、今の私にはその方が都合がよかった。


歩仁内くんに心が傾いていたと思っていた自分の気持ちは、結局最初から土橋くんの方だけを向いていたんだ。


こんな気持ちのままで、私は歩仁内くんに甘えるわけにはいかない。


私と土橋くんの友達関係なんて、とうの昔に破綻している。


私は今までそれに気付かないふりをして、しがみついていただけなのだ。


ここ数日でやっと気付いた、と言うか認めた事実。


さらには、すでに破綻した友達関係に追い討ちをかけるように、私は自分の気持ちをバラすような真似をしちゃって。


彼が私の気持ちに気付いたかどうかはわからないけど、私はやはりどこかで自分の想いを伝えたかったのだと思う。


もう今更前のような関係に戻れないなら、いっそのこと土橋くんに好きだった、と伝えよう。


それがずっと考えていた末に出した結論だった。


明日学校が始まったら、告白して潔く振られるんだ。


そうしないと前に踏み出せない。


私は勉強机から立ち上がって、出窓の方に移動し、そっと窓を開けてみた。


薄暗くなり始めた空を見て、五時をまわったことに気付く。


少しずつ日が長くなってきたのを実感する。


まだまだ寒いけどもう春なんだよね。


去年の春は土橋くんとはただ高校が同じってだけの全くの他人だった。


もう一度、この関係に戻るだけなのだから。


私は無理矢理自分にそう納得させてから、再び窓を閉めた。





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