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幼なじみ
【幼馴染 恋愛小説】

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邂逅編-1


かい‐こう【邂逅】
思いがけなく出あうこと。めぐりあうこと。


太郎母『あらどうもこんにちわぁ』


それは太郎の母の声が玄関から聞こえた時から始まりました。


太郎『…?』

太郎母『あ、そうですか。わざわざご丁寧にこんな…いえいえこちらこそ宜しくお願いします』

太郎『(だれかなぁ?)』

太郎母『あら可愛らしい子、こんにちわぁ。ちゃんとご挨拶できるのぉ、偉いわねぇ』

太郎『??』

太郎母『お嬢ちゃんはいくつかな?…あら、3歳?うちの子と一緒ね』

太郎『(…)』

太郎母『太郎!太郎ー!こっちいらっしゃい!』

太郎『(トコトコ…)…なぁに?』

太郎母『もう無愛想ね。お隣に引っ越してきた人達よ、挨拶しなさい』

太郎『(おばさんと…女の子…)…こんにちわ…』

太郎母『もっと笑いなさいよ(パシン)』

太郎『いたいっ!』

太郎母『本当にこの子ったら…花子ちゃんみたいにもっとニコニコしなさい』

太郎『花子ちゃんって誰?(頭すりすり)』

太郎母『この子よ、可愛らしいでしょ?』

花子『こんにちわ♪太郎くん』

太郎『…こ、こんにちわ』

太郎母『あ、もし良かったらうちでお茶でもどうです?』

花子母『え、宜しいんですか?』

太郎母『ええ、この子も花子ちゃんと同じ年ですし花子ちゃんの遊び相手にもなりませんか?』

花子母『そうですね、じゃあお言葉に甘えちゃおうかしら。でも花子はちょっと他の子より元気だから太郎君大変じゃないかしら?』

太郎母『いいんですよぉ!暗い子だから花子ちゃんの元気もらってちょうどいいくらいなんだから!ねぇ太郎?』

太郎『……』

太郎母『ほら、暗いでしょ?』



※※※※※※



太郎母と花子母の二人がキッチンでおしゃべりしている隣の部屋。
リビングで太郎と花子は積木をする。


太郎『(かちゃ…かちゃ…)』

花子『ねぇ太郎くん』

太郎『(かちゃ…かちゃ…)』

花子『ねぇ太郎くん』

太郎『(かちゃ…)』

花子『ねぇ太郎くん(ドフッ)』

太郎『いたっ!なんでお腹ぶつの!』

花子『太郎くんのお友達になるね』

太郎『誰が?』

花子『花子が』

太郎『別にいい』

花子『…』

太郎『(かちゃかちゃ…)』

花子『ねぇ太郎くん(ドフッ)』

太郎『いたいっ!何するの!?』

花子『(ちゅ)』

太郎『な、なにして!』

花子『ほっぺちゅー』

太郎『き、きたないな!(ごしごし)』

花子『きたなくないよぉ』

太郎『そういうのは大人の人がするんだよ!』

花子『そうなの?』

太郎『そうだよ!』

花子『ふぅん…』

太郎『もう!…(かちゃかちゃ)』

花子『花子友達いないんだ』

太郎『…!?』

花子『遠くに来ちゃったから…もう会えない』

太郎『………(ぼくも友達なんかいない…花子ちゃんと一緒だ…)』

花子『だから花子太郎くんの友達になってあげるね!』

太郎『うん………逆だろ!』

花子『え?』

太郎『ぼくが花子ちゃんの友達になってあげるんでしょ!?』

花子『うん♪それでいいよ』

太郎『え?』

花子『じゃあお友達ね』

太郎『あ、え?…う、うん』

花子『良かったぁ♪(ニパッ)』

太郎『う…(かわいい…)』

花子『じゃあお洋服脱いで』

太郎『なんで!』

花子『パパママごっこするから』

太郎『つ、つみきでいいよ!』

花子『だめだよ!ほら!(脱がし脱がし)』

太郎『や、やめろぉおおおお!帰れぇええ!!』



※※※※※※



花子『あの頃が懐かしいなぁ…』

太郎『覚えてんだ。ってかお前やること全然変わってないじゃん』

花子『覚えてるわよ。小学生の頃はお医者さんごっこしたよね』

太郎『それは覚えてるけど忘れたい記憶だから思い出させないで』

花子『今やる?』

太郎『何を?』

花子『お医者さんごっこ』

太郎『しねぇよ!』

花子『実はナース服持ってきました(ゴソゴソ)』

太郎『買ったんだ!?なにその行動力!』

花子『しかもピンク(バサッ)』

太郎『広げるな!お前の頭の中だけにしろ、ピンクは』

花子『照れるね♪えへ』

太郎『褒めてねぇ!えへとか言うなキモいから!』

花子『じゃあ着替えてきますね、ドクター』

太郎『そのまま帰れ』









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