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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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ゼロ-19

「ゼ…イン」

「ああ」

 つけたばかりの名前を呼ばれると、くすぐったくて自然と笑顔になった。

「そういや、カリーって何歳?」

「16」

「ふうん」

「ゼインはぁ?」

「じゃ、16にしとく」

「しとくって……」

「だあら、年齢も知らねぇんだって。大体そんなもんだろ?」

 自分の事は何も知らないんだから何もかも自分で決めれば良い。
 天使が居るこの場で、生まれ変わる。

「じゃあ、今日が16歳の誕生日だねぇ」

 天使のカリーはゼインの望んでいた言葉をくれた。

「お、それ良いな」

「ふふっ誕生日おめでとう、ゼイン」

「どうも」

 ゼインに産まれ変わって初めて誕生を祝ってもらった……しかも天使に。
 ゼインは無茶苦茶嬉しくなって……カリーの服を全部脱がした。

「最高の誕生日プレゼントだ」

 全裸のカリーは眩しいくらいに綺麗で、ゼインはうっとりしながらその身体を堪能する。
 ベットに広がるふわふわの明るい金髪……愛撫する度に上下する大きな胸……ゼインの背中に回されたしなやかな腕……何もかもが魅力的で、全てが愛おしい。
 長い睫毛は涙で濡れてキラキラと光を反射して、幻想的と言って良い程綺麗だ。

 1人の女性をこんなにたっぷりと、こんなに丁寧に愛した事などない。
 いつも無理矢理とか命令とかで、自分から求めた事など一度もなかった。
 今まで仕事でしかなかったこの行為が、こんなにも神聖でこんなにも心満たされる事だったなんて思ってもみなかった。

(……ああ……これが惚れたって事かぁ)

 ゼインは自分の考えに妙に納得する。
 良く知らない相手だし、会ったばかりだし……なのに無性に大切で愛しくて……これが世間で言う「一目惚れ」なのだ。
 だからこんなに幸せな気分になれる。
 一通りの行為が終わって、抱き合いながらクスクス笑う……それだけで涙が出るくらいに幸せだった。

 そんな幸せな時間は直ぐに終わった。

 一緒に笑っていたカリーは窓の外に視線を走らせた後、ゼインからそっと離れる。

「カリー?」

「……行かなきゃ……」

 カリーはベットを降りて鞄から服を取り出しそれに着替え、机の上に数枚のお金を置いた。


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