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THANK YOU!! 〜 After story 〜
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-1



『やりましたね!日本で初のオリンピック優勝ですよ!』
『素晴らしいですね!』

広くはない部屋の隅に置いてあるテレビの中から賞賛のコメントが興奮気味に飛び駆っていた。
画面をチラッと見ると先日行われたオリンピックについて語っているようで、あるスポーツでの金メダル優勝を言っていた。画面にはアナウンサーと解説者の後ろのモニターに、金メダルを掲げて道着姿で映る自分の姿。
それを苦笑しながら青年はリモコンでテレビの電源を消す。そして、少し大きめな荷物を持って、部屋を出た。生まれた静寂の中に、響くのはパタンという扉の音だけだった。



「じゃあ、今日はここまでね。また来週!」
「うん!バイバイ、瑞稀お姉さん!!」

瑞稀は解散の言葉を集まっていた子供たちにかけると、子供用の簡単な楽譜を片付け始めた。子供たちは、笑顔でトランペットを片手に持ったまま瑞稀に手を振って遠くで待つ親たちのもとへ帰っていった。
自分の荷物を手早く片付けた瑞稀は駅へと向かった。その途中、本屋を通りかかってふと雑誌に眼をやる。すぐに、眼を引くものがあった。
それを見つけた瞬間、瑞稀は口元が緩んだ。頬も少し赤くなる。
雑誌を買う予定では無かったが、気がついた時には手に持って開いていた。

「・・凄い、また優勝。頑張ってるんだね、拓斗・・」

愛する人の記事を読んで、思わず呟く。口角が上がってしまう。
雑誌を閉じるとカウンターに居るオジさんに声をかける(『』は英語)

『オジさん!これいくら?』
『お?それはなー、750円』
『はーい。・・はいっ!』
『毎度ーっ。』

オジさんにお金を手渡すと瑞稀は先程よりも足取り軽く、歩いていく。
向かうは、オーケストラの練習場。


瑞稀と拓斗がもう一度、愛を確かめプロポーズを約束した日から3年が経った。

瑞稀は変わらずオーケストラ楽団に所属をしていて、さらに短期バイトということで週に一回、アメリカに在住する日本人の子供たちにオーケストラの練習が始まる2時間前までトランペットを教えてもいた。こんな風に、充実した毎日を送っている。
この日も、そう。子供たちと来週の約束を交わし練習に向かった。・・途中寄り道をしたが。

オーケストラで日本人は瑞稀のみ。入団した当初は困って日本に帰ろうとも思ったが、メンバーたちが優しく声をかけてくれたり可愛がってくれているためにすぐに打ち解けることができた。今では、オーケストラ楽団に居なくてはならない存在。
その瑞稀にとっての居なくてはならない存在である鈴乃拓斗は剣道の実力が認められ、プロとなった。つい先日も、オリンピックに日本人ただ一人で参加して見事金メダルを獲得するという偉業を成し遂げた。
瑞稀は、日本に一時帰国するまで見ることを避けていたスポーツ雑誌を買うようになって、拓斗の大会での活躍ぶりを見て感嘆していた。部屋にある本棚は雑誌で埋め尽くされている程。

ちなみに。成田空港でのプロポーズは全世界に広まっていた。
偶然カメラで撮っていた人が動画サイトに投稿し、人気が高まったところでそれをテレビ局が持ってきて放送したのが発端。映像は瞬く間に広まった。
アメリカに居る瑞稀は、時々そのおかげで知らない人から声をかけられたりもしている。
正直言うと困りものだが、仕方ないと諦めているが浮ついた気持ちになるのも事実。









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