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光の道
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月の光と都会の光-7

***



朝起きると、珍しく大輔くんがまだ寝ていた。
昔はいつも私より先に起きていたからちょっと新鮮。

携帯を見ると高橋さんからメールが入ってた。
昨日はお疲れさま、遅くなってしまって悪かったというような律儀なメール。
楽しかったし、お祝いもしてもらって嬉しかった。
謝られることなんてなにもないのに…
その気持ちをメールで送る。

携帯を置き、大輔くんが寝ているのを確認して、ミネラルウォーターを持って部屋の浴室に向かう。
すごく広い、綺麗なお風呂。
いい香りがしそうな入浴剤を入れ、お湯を張る。
バブルバスになって、テンションがあがる。

昨日は帰ってシャワーを浴びただけだ。
はぁ…と、つい声が出てしまう。
バラのいい香り。
朝日が入ってきてすごく気持ち良い。幸せ。

しばらく浸かり、そろそろ上がろうかと思っていた頃、カタンと音がする。
きっと大輔くんが起きて、準備を始めたのだろう。
お風呂から上がり、私も準備を始める。
折角なので、昨日もらったワンピースとカーディガンを着る。
サイズもぴったり。
恐るべし、デザイナーさん。
軽くメイクをして部屋に戻ると、大輔くんがコーヒーを飲みながらテレビを観ていた。
目が合うと、大輔くんが言った。

「悪い、寝てたわ。風呂、ゆっくりはいれたか?」

「うん、大満足!バブルバスにしちゃった。きもちよかったよー。」

話してるとついテンションが上がってしまう。
大輔くんは笑いながら、続ける。

「まぁ、家じゃバブルバスなんてはいれんもんな。ご機嫌でなによりだ。じゃあ、朝飯行くか。」

「うん。さて、食べるぞー!」

私が言うと、大輔くんは更に笑って歩き出す。
後を追って、部屋を出る。
ホテルのラウンジにビュッフェをいただきに行く。
エレベーターに乗ると、大輔くんと目が合う。

「ん、何?」

尋ねると、大輔くんが申し訳なさそうに言った。

「昨日は悪かった。ホントにありがとうな。」

びっくりして、つい早口で答えてしまう。

「全然大丈夫だよ!お祝いしてもらえて嬉しかったし。ケーキも食べれたし、お酒も飲めたし、美味しいご飯も食べれたし!大輔くんと一緒に東京これてホント良かったよ!楽しかったし、謝らないでよ。」

「そっか…お前がいてホント助かったわ。ありがとうな。」

大輔くんは嬉しそうに笑いながらそう言って、私の頭をくしゃっとしてエレベーターから降りる。
その笑顔と前を歩く背中を見て、少し嬉しくなる。
隣に並んでラウンジに入る。

隣に並んで歩く。
それが当たり前のように思えてる。
そのことに気づいたらまた幸せな気持ちになれた。




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