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ゼビア・ズ・ショートストーリー
【ファンタジー その他小説】

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揺り椅子-4

「も〜う、ボクのダーリンに当たるの止めてよねぇ」

 エンがラインハルトを抱いて慰めながら、アースに向かって口を尖らす。

「何がダーリンだ?!って、話がずれてるっ!!」

 アースは頭を抱えて叫び、助けてくれ、とキャラに顔を向けた。
 キャラは俯いて肩を震わせ、嗚咽を堪える様に片手で口を押さえている。
 それを見たアースはツカツカとキャラの元にやってきて、その頭をグワシと掴んだ。

「てっめぇ……何、笑ってやがんだ?ああ?!」

ブハッ

 同時にアース以外の全員が盛大に吹き出して笑いだした。

「アハハハハッアースってば慌てすぎっ」

「いやあ……アース殿のこんな姿が見れるなんて貴重だなあ」

 エンは涙を流して大爆笑し、ラインハルトは満足そうに頷く。

「これはファンの歴史書にしっかりと記録しておこう」

 ベルリアはクスクス笑って懐から紙を出し、何やら書き留めた。

「ははは……皆、良く合わせてくれたね」

 ギルフォードはしてやったりの顔で全員を見回す。

「廊下での伏線と、王子を見た時ピンときましたよ」

 キャラはそう言って頭にあるアースの手をポンポン叩いた。

「……どういう事だよ?」

 この場にいる全員にからかわれたのは分かる。
 だが、打ち合わせもせずに見事にしてやられたのが悔しい。

「お妃様……つまり、ラインハルト様とギルフォード様のお母様はとても綺麗な黒髪でしたの」

 ミヤは王子をギルフォードに渡し、ギルフォードが話を続けた。

「その事はアース殿以外全員知ってるから特に驚かないけど、アース殿は知らないからちょっと責めたら慌てるかなぁ?って思ってね」

 ファンの人間は勿論、宮廷魔導師となったベルリアもエンもファンの歴史や王家の内情など全て把握済み……前王妃の髪の色を知らないのはアースだけだ。
 ギルフォードは片目をつぶって腕の中の王子をしっかり見せる。
 まだ、何も見えていないであろう王子の目はギルフォードそっくりの綺麗な緑色。
 明らかにギルフォードの血を受け継いだ色だ。

「「作戦大成功♪」」

 ミヤとギルフォードはアースに向かってブイサインを繰り出す。

「お・ま・え・ら・なぁ〜」

 アースは怒った声を出したが、途中で可笑しくなり自分でも笑ってしまった。
 後はもう、可笑しいやらめでたいやらで暫く部屋の中は笑いに包まれたのであった。



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