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『秘館物語』
【SM 官能小説】

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『秘館物語』第2話「訪問者」-17


 白、という色は、水気を含むと透過が強まる。そして双海が身に付けているのは、白いワンピースと、白い下着…。
 愛撫を加えることで双海の体内は温度が高まり、発汗が促される。そして、それを吸い込んだ生地は瞬く間に肌に張り付き、下地の色を淡く浮かび上がらせた。
(お、おぉ……)
 たとえ色白とは言え、肌には色がある。更に言えば、ふくらみの頂点は鮮やかな紅色だ。しかも、受けた刺激が集まってきたそれは、明らかにその存在を主張し始めている。
 白いキャンバスに肌の色が淡く滲み、そして、浮かび上がってきた紅…。それが、兵太の視線を釘付けにする。
「ここ、固くなってきよった」
「あ、んっ……!」
 もちろん、それを逃すような兵太ではない。人差し指と親指で、隆起してきた両丘の頂点をはさみ、それを捏ねていた。

 くにっ、くにくにっ、くにゅっ、くにゅっ…

「ああっ! んあっ! あっ、あっ、あぁっ……!」
 双海の声が、更に高くなった。それだけの強い刺激が、身体を走ったのである。
 神経というものは末端に至るほど、ぎゅうぎゅうに詰まっているものだ。そして、乳房全体の快楽神経が集まる場所といえば、その膨らみを狭窄している乳首に他あるまい。
「はぁっ……! んぅっ! あっ……あっ……やっ……ああぁっ!」
 それを両方まとめて責められたのだから、乱れを強くしても不思議はなかった。
 快楽に揺れる体は、あられもない姿を生み出した。太股が何度も上下するうちに、ワンピースの裾が持ち上がって、いつのまにか膝の上まで来てしまったのだ。
「ここは、どないなっとるかな?」
 左の乳房を弄んでいた手を離して、それを太股の内側に滑り込ませる兵太。
「あっ……やっ……!」
 少しばかり、恥じらいを強くしたのは、その部分がどうなっているのか、自分でもよくわかっているからだろう。
「そこは……や、やぁっ……」
 慌てたように双海は、かすかに広がっていた膝を閉じ合わせようとしたが、既に兵太の手はその間にもぐりこんでいて、防ぐことはできなかった。
「大丈夫や。力、抜いてな…」
「………」
 耳元で囁かれ、観念した双海はその手を受け入れる。しかし、真っ赤になった頬を両手で覆い隠し、堪らない恥ずかしさを必死になって訴えていた。
(たまらんのう)
 その仕草が、とてつもなく愛らしい。太股の間に埋めた手はそのまま、兵太は頬を隠す彼女の指に、そっと唇を寄せるのだった。
「………」
 それが封印を解く合図となったのか、強張っていた内股から最後の力が抜けて、彼女はその秘門に至る道をようやく開放した。
「双海……」
 兵太は、そのまま指先を奥まで進めた。意外に細く長いその指が触れた場所は、紛れもなく彼女の大切な部分である。
「んっ……!」
 胸を触っていた時とは違う、更に鋭さのある声を漏らして、双海は身体を震わせた。
(あぁ……なんといったらええんやろな、この……さわり心地は……)
 兵太の指先が捉えたものは、言いようのない柔らかさがあった。そして、ショーツ越しに触れた彼女の秘処は、既に熱い湿り気を帯びてもいた。

 ぬっ…

「んあぅっ!」
 指先を上下に動かしてみる。まるで“轍”がそこにあるように、視認をする必要もなく、ショーツの上から浮かび上がる秘裂を縦になぞることができた。
(もう、ぎょうさん濡れとるんやな……)
 布地を一枚挟みながら、はっきりとわかる秘裂の感触。
(なるほどなぁ…)
 その場所に手を伸ばしたとき、いつになく双海が恥じらいを露にしたその理由もわかった。触る前から、こんなにも濡らしてしまった自分の姿を、浅ましく思っていたのだろう。


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