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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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赤い眼-19

「このまま出したら……凄ぇ気持ち良いぜ?」

「んやっ中出しダメぇっ」

「ハァ…安心しろ……種は無ぇっ…はっ…」

 奴隷がご主人様を孕ますワケにはいかないので、愛玩改造の時パイプカットもされた。
 それを聞いたカリオペは顔をしかめて少し振り向く。

「まあ、いくらでも中出し出来るからラッキーって事だ」

 大したことじゃない、とゼインはカリオペの背中に唇を落とす。

「はっ…つうか……爆発しそっ……」

 話ながらも動きは止めていなかったゼインは、早く吐き出したくて仕方がない。

「んっあぁ……来てぇっ!」

「イッ……くっ」

ドクンッ

「んやぁああぁぁっ!!」

 勢い良く吐き出された欲望はカリオペの胎内の更に奥へと注がれ、絶頂の収縮がそれをもっと奥へ誘う。

「ああぁぁ……う…そぉ……あっあっゼインっあぁっだめぇぇっーーーーーー!」

 熱い欲望はカリオペの胎内で暴れ回り、再び絶頂へ追いやった。

「う……くぅ」

 欲望を搾り取るように何度も強く締め上げる蠢きに、ゼインは声を漏らしてカリオペを強く抱く。

「はっ……あ……あぁ……はあ……」

 やっと絶頂の波が治まったカリオペはくてんと力を抜いてゆっくりと息を吐いた。
 ゼインは腕の力と肉棒を抜いてカリオペの横に倒れ込む。
 うつ伏せのカリオペが目を開けると、蒼い目が見つめていた。

「ふふ」

「ははは」

 2人は笑い合って寄り添い抱き合う。

「俺さ……自分から抱きたいって思ったの初めてだ」

「私もぉ……自分から抱かれたいって思ったの初めて」

 良く知りもしないのに変だな、と2人して思ったが……どうでも良い……今、凄く幸せだから。

「キスしてぇ」

「それはダメ」

 ゼインの要求を間髪入れず拒否したカリオペは、窓の外を見てゼインから離れた。

「カリー?」

「……行かなきゃ……」

 そろそろ薬が切れる……夢は終わりだ。
 カリオペはベットを降りて鞄から着替えを取り出しそれに着替え、机の上に数枚のお金を置く。

「おい」

「これは1人で生きる為の軍資金……宿の支払いも済ませたから……チェックアウトは明日の朝、11時よ」

「……いらねぇ」

「ダメ。世の中そんなに甘くないの」

 まるで買われたみたいで嫌だ、といじけるゼインにカリオペは諭すように話す。
 ゼインはベットに寝そべったままカリオペを見た。

「じゃ、借りる……だから、またな」

 また会おう……そう言ったゼインにカリオペは困ったような表情になる。

「バイバイ……ゼイン」

 カリオペは振り切るようにドアを開けて部屋を出た。

 アジトに帰る道中、身体の色が元に戻るのと一緒に感情が消えていく。
 ゼインへの想いを消すには、感情も消さなければ無理だったのだ。


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