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手紙
【熟女/人妻 官能小説】

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女の手紙 その2-5


冴子は身を崩した自分に合わせるように、
この女を引っ張り込むことで、自分を納得したかったのかも知れない。
その為に冴子は前の夫に離婚させられたのである。

しかし、君恵は冴子が思ったほど驚いてはいなかった。
心の中で、すでに或る決意はしていたのだろう。


冴子は、君恵にそんな気配を感じて誘ったのだったが・・

「セックス・・ですか」
「ええ、そうよ、でも安心して、お客様は信頼のある人ばかりだから」
「でも、私はそんな男性達と・・あの、出来るのでしょうか」
「ええ、勿論よ、私だって始めはそうだったわ、でもお客様に教えて貰って・・」
「そうですか、私でも大丈夫なのですね」
「そうよ、貴女なら良いお客は付くわよ」
「わかりました、それでどの位貰えるのかしら?」

冴子が言った報酬は君恵にとっては魅力的だった。
客から貰う金の何割かは、店に手数料などとして渡すのだが
それでも自分の取り分としては悪くはない、
この手の分け前としては、2割か3割が妥当なようである。

もちろん、そんな相場を君恵が知るはずもないのだが・・
君恵は嬉しかった、自分自身の身体を与えるという不安な要素はあるのだが
それでも自分で彼との生活の足しになると思えば嬉しかった。
だが、君恵に貞操観念が無いのかというと、それは違う。

出来れば、尾上真二郎という未だに売れない作家の女として、
彼だけの女でいたかったのは本音である。

しかし、そんな甘いことでは生きてはいけない。
君恵が出来ること、
それは彼女の女の武器を使うことで二人の生活を維持していこうという、
彼女なりの打算だったからである。

いつも家にいる真二郎に、君恵はアルバイトに行くと告げたとき、彼は驚いた。
「君恵、本当に大丈夫なの?アルバイトって・・」
「ええ、大丈夫よ、お友達の紹介で私でも働ける所を見つけたの」

「そう、無理しないでね、でもごめん・・君恵にそんなことをさせてしまって」
「いいのよ、気にしないで真二郎さん」

君恵を信頼している真二郎はそれ以上を聞かなかった、
彼は素直は性格であり人を疑うことを知らない純朴な所がある。
そういうところが貴恵は好きだった、
その彼を裏切るということになるのだが、背に腹は替えられなかった。


或る日、君恵は冴子に誘われて洒落たその店に行った。
そこはいわゆる秘密の高級売春クラブであり、
その店で待機していて客からの要望で好みの女を派遣するのである、
場所はホテルだったり、客の自宅などで様々である。

単なる、客の話の相手をするという場合もあるが、殆どはセックスを対象にしていた。
ただ、その店は高級志向であり、だだ女を抱かせるだけの店とは違っていた。
ゆえに、そういう雰囲気を持つ君恵には良かったのかもしれない。

その店長の唐沢は、君恵を一目見て気に入った。
「ほう、貴女が君恵さんですか」
「はい、よろしくお願い致します」
「ところで貴女がここで働くことを、誰か知っているのですか?」
「いえ、知りません、誰にも・・冴子さん意外には・・」

そう言って、君恵は目を伏せはにかんだ、
その頬がほんのりとピンク色に染まった。
唐沢は、そんな君恵の仕草にドキッとした。
(これは良い女だ・・良い稼ぎが出来るかも知れない)

「なるほど、わかりました・・・
それでお客様とは肉体的な関係になる可能性がありますが、
それは承知していますよね?」

唐沢は、じっとこの美しい君恵を見つめていた、
彼はこの女を見つめながら何故か興奮している自分に気が付いているのだ。
ここで登録している十数人の女達と比較しても君恵は輝いていた。
身体から染み出る上品さと、仄かな色気を感じたからだ。
(この後で・・)



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