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私たちは様々な問題を抱えている
【ノンフィクション その他小説】

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水族館-2

「疑われるの嫌だったら浮気しなきゃいいじゃないのー」

海亀の水槽の前でしょうちゃんは言った。


今日はしょうちゃんと水族館に来ていた。私は水族館が好きだ。魚は触れてこないし、キレイだし、その上美味しい。

魚という存在も好きだし、薄暗い水族館も好きだった。ゆらゆら揺れる水を見ていると、気持ちが落ち着く。


「だってさー、浮気してなくても、浮気してるって多分疑われるんだから、どうせだったら浮気したほうが得な気がするんだよねー。」

私は海亀から目を離さずに言う。


「まあ、それは言えてるかもねー。」


しょうちゃんも亀を見ながら暢気にそんな事をいう。

「それに、…浮気してないと、捨てられそうな気がするんだよね。」


「…は?」


しょうちゃんは少し怪訝な顔をしてこちらを向いた。


「浮気しなくなったら、安心して離れていきそうなきがする。」


「どういうこと?」


「まだ私が手に入ってないって思うから、私に執着してるんだよ。」


「君は暢気なようで悲観的なことばっかり考えるよね…」


しょうちゃんは私をそっと抱き寄せる。


「利津子ちゃんは充分ステキなんだから、もっと自信もちなって」


「…」


端からみたら、私たちは仲がいいカップルなんだろうな、とぼんやり考えた。


平日の水族館はガラガラだった。

薄暗い水槽の中で海亀は不規則な動きでゆっくりゆっくり泳いでいる。


「しょうちゃん、キスしていい?」


返事をせずにしょうちゃんは軽く唇を合わせた。


「ありがと」


無意味に泣きそうになりながら、しょうちゃんにもたれ、私は優雅に泳ぐ亀をいつまでも見ていた。


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